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教育実習生のシルバー  作者: ぱちみの姉
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教育実習生のシルバー


それからというもの、私たちとシルバーはよく会話するようになった。



シルバーは朝の読書の時間にブックカバーをつけた本を読んでいた。

「先生何の本読んでるんですか?」

みんなで読書が終わってすぐに聞きに行った。

「秘密です。」

予想外の返答に驚く。いかがわしい本でも読んでいるのか?

「何で秘密なんですか?」


「面白いですよ。」

シルバーはブックカバーを取って題名を見せた。


【秘密 東野圭吾】


「そういうことか!」

「秘密って本か!」


「ぎゃはははは!!!!」

いつもの高い笑い声にまじって低い笑い声も聞こえる。

会話を聞いていた一部の男子も笑っていた。




シルバーの授業も面白くなった。

そもそも授業自体は自分が受験生だったときに気をつけた点とか頻出問題を重点的に教えていたようで、私たち3年生にとって為になる授業だった。


「では、この問題分かる方いますか?」

黒板に向いていたシルバーの顔が教室に向く。

女子が全員手を挙げ、それにつられて男子も全員挙がる。


「みなさん分かりますか〜。良かったです。正解はthanですね。では説明は省きます。」

シルバーの顔が黒板に戻る。

「生徒を指す訳じゃないんですね。」

「ぎゃはははは!!」

教室中が笑いに包まれる。後ろで見ていた担任も爆笑していた。


シルバーはなんとも予想外といった表情で教室を見ていた。

「最近の高校生の笑いのつぼは分からないですね。」


そう言って困ったように笑った。


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