表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
コルク  作者: groef
2/16

2 長い一日

 デビッド・エルジーニは旧友に語りかけた。

「なあカーデュラ。君は世の中の理不尽さを知っているか」

「何を今さら」と旧友は言った。

「冬は辛いなあ。夏は苦しいなあ。人間って生き物はじつはとっくに死んでいるんじゃないかって思うんだ。おまけにお互いを傷つけあうのが日常だ。適応って言葉が美しすぎるぐらいだ」

「・・・・・・デビーは冬が好きだったんじゃなかっけ? ついさっきなんか人間ってすばらしいや、生きてるって最高さ、なんて言ってただろうに」

「いや、まあ、それはその」

 デビッド・エルジーニは口ごもりした。

「夏はさ、いろいろ腐りやすいじゃんか。君は嬉しそうにワインをがぶ飲みしてたけどこっちは裕福じゃないからね。その点、こっちはまだマシってだけだよ。空腹になってきたのもある」

「ああ、そう」

 旧友は呆れた顔で新しい瓶を抜いた。

「ほんと理不尽だよね。いや、おそろしいほどに気分屋で傲慢なのかな。賭けてもいいけど、僕らってのは死んでいてても土の中の感想を口々にしてるよ。それも賛否両論で」

「嫌でもわかるよ」

 旧友は、静かに目を伏せて、あくびを噛み殺しながらそう言った。

「一日中君を見てるとね」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ