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目標は?

「ぜぇ、ぜぇ、はぁ、はぁ」


 練習開始から1週間が経過した。

 場所は変わらず広場の隅。

 魔力切れになった俺とリーナが大の字で地面に横たわる。

 初日の失敗を元に魔力の量を調節して俺もリーナも1週間が経った今では3セットをこなせるようにはなったのだが…。

「それじゃ、ご飯にしようか」

 一緒に練習しているダイ兄ちゃんはピンピンしているのは何故だ?

 こっちは魔力切れによる頭痛と吐き気で食欲などないというのに。

 そんな俺らを無視して昼食のサンドイッチを美味しそうに頬張りやがって。

「リーナもトーマスも何とかメニューをこなしてるけどしっかりと栄養と睡眠は摂らないとダメだからね。そうすれば毎日少しずつだけど魔力は増えるし魔力切れも起こさなくなるから。そうすればもしかしたら帝国軍の幹部になったりしてね」

そう言って俺たちは有名な自国の魔道師や魔法使いの名前を挙げていく。

「私は絶対マーガレット様みたいな魔法使いになってみたいわ」

「赤き氷の魔女、マーガレット=フレル?」

「真っ赤な赤い髪をなびかせて迫り来る敵部隊を氷漬けにして殺したっていう帝国の女魔法使いで1・2を争う人物だね」

「トーマスは誰か目標とか憧れの人物はいるの?」

「それはやっぱり帝国軍魔法部隊3番隊隊長のグランさんだろ!」

俺はこれまで聞いた武勇伝とある理由でグランの名前を出した。

「理由はやっぱり?」

「もちろん俺らと同じ平民の出って言うとこだろ!貴族の偉そうな奴らが周りを囲む中それを押しのけて隊長の地位をつかんだんだ、憧れるだろ普通」

そう、この世界ではやはりというか平民と貴族との間では歴然とした格差が根付いている。

「じゃあ今度はダイの番ね!」

「僕?そうだね帝国魔導研究所特別顧問のマゼランさんかな?」

「え~?ヨボヨボの爺さんだろそれ」

「そうだけどこの人の研究でここまで帝国は大きくなったんだから偉大な人物なのは間違いないんだから」

「それもそうか」

そう言って俺たちは笑いながら昼食をとりまた平和な一日が過ぎていく。

前世の経験がほとんど役に立たないから周りの子とほとんど違和感なく過ごせている。これはこれで間違いなく幸せなことなんだろう。

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