親の心配 子知らず
その理由はその日の晩に分かった。
電気のないこの世界では夕食が終わればもう寝るだけ、リビングから自分の部屋に行くと両親の話し声が聞こえる。
「マナ、そう落ち込むな」
「だって」
「トーマスに魔法の適性があるのはあの子の才能なんだ。親としてそれは喜ぶべきだ。ただ君の言うとおり1年後にはトーマスをサウスガーデンの訓練場にやらなければいけないのも避けれない事実だ」
「それは、そうだけど…」
「子供を愛していない親などいないよ。それにたったの4年だ。魔法の適性があっても全員が帝都の軍門を潜る訳ではないし年の終わりには家に帰ってくる」
「そう、ね」
「もし10歳になって帝都に行くことになればそれはトーマスが特に優れた魔法使いと認められたということだ。けどそれはもしもの、未来のことだ。マナは明日からもトーマスをしっかり教育しないとね?」
「そうね、訓練場の寮に入れなきゃいけないからマナーやルールをしっかり教えないとね」
そんな会話を聞きながらベッドの上で目をつぶった。
『サウスガーデン』自分たちがいるハイツ村からさらに南。
べガリア帝国最南部の穀物庫。温厚な気候と豊富な雨に恵まれた場所だ。
両親は心配しているが1年後、俺はそこに行く。
帝都に行けるかどうかは明日からの修行というか訓練?練習か。
とにかく頑張らないとな。
そう決意して俺は眠りについた。




