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一寸先は・・・

スノーバレーについた。

スノーバレーはその名の由来通り雪が多い。

民家の屋根は傾斜が急で滑ってきた大量の雪に潰されて死んでしまうぞとはここまで馬車に乗せて来てくれた初老の爺さんの言葉だ。

確かに道は人の手で除雪はされているが慣れていない俺は何度も足を取られて転んだ。


七転八倒しながらようやく目的の家に着いた。

その頃には日が傾き一番星が輝き始めていた。

その家から伸びる暖炉の煙突は白い煙を上げていた。

家に人がいるのは確認できた。

俺は玄関のドアを叩いた。

「………」

「………」

「………」

出てこない、さ、寒い。

まいった。日が傾いた今から街にとってかえすことは得策ではない。

必死になってドアを叩いた。


ギィー

ようやくドアが開き中から女性が現れた。

「こんな時間に誰ぇ?て、子供!凍えてんじゃないか!」

慌てて女性は俺の腕をつかみ中に引っ張り込んだ。

暖炉の前に座らせて毛布をかぶり温かいハーブティーを振る舞われた。

ほぅと息を付き改めて家の中を観察する。

家の中は物で溢れていて、独特の匂いが充満していた。

溢れている物、独特の匂いの元は多種多様な薬草や木の実だった。


「あんた町の子じゃないね?どうしてこんな場所に来たんだい?山に入って迷子にでもなった…。いや、その格好で山に入ったら間違いなく死ぬね」

「あ、あの。ありがとうございました。サウスガーデンから来ました。トーマスって言います」

「サウスガーデン、トーマス。………ああ、国からの依頼にあった子か。そっか、あんたか」

「はい、よろしくお願いします」

「アイラだ。先生でも師匠でも好きに呼びな。ただし私の“命令”は絶対に守ってもらうから」

そう笑顔で言い棚から数枚の書類を取り出し差し出してきた。

「あんたを育てることは国も絡んでくるからねめんどくさい書類が多いんだよ。だけどまぁ名前を書くだけだから」


そう言われ俺はよく書類の中身を確認せずにサインをしてしまった。

それがこれからの事を左右するとは知らずに…



「………うん、漏れはないようだね。これでトーマス、あんたはこの私の弟子であり契約通り10歳になるまでの3年間、私の奴隷になったから」

「………はぁ?」

アイラはニコニコと笑っている。

夢だ、そうだこれは夢に違いない!思いっきり頬をつねる。

痛い。

床に手をつき、目の前が真っ白になる。え、なんで?この国奴隷OKなの?

頭が処理を拒否している。

「まぁ今日はもう遅いから飯食って早く寝な」

その日の夜布団の中で泣いた。

父さん、母さん、リーナ。無理です。俺はここではやっていけません。

俺は逃げる決意をした。





さて、俺はアイラの家から逃げ出し別の場所にいます。

そこは地上3階建て地下2階の立派な建物で部屋数もたくさんあります。

3階部分は個室になっていてセキュリティーも高い。

2階は大部屋と個室が半々。

俺がいる1階は大部屋ばかりらしいが俺がいる部屋は空き部屋だったらしく俺しかいない。

地下の部分は知らない方がいいと言われた。

ここに入るとき大人の人は優しく接してくれた。

しかも手と足にアクセサリーをつけてくれたんだ。

ただ不満があるのはこのアクセサリーが重いってことだな、足のアクセサリには鎖が伸びて玉が付いているのだ。歩くのにはそれほど苦にならないぐらいの重さだが長時間歩いたり走ったりするには辛い。鎖が音を立てるしね。


本当、泣いていい?

なんで転生7年目で奴隷になって逃げた先で捕まって牢屋に入ってんの俺。


泣いてたらうるさいと看守に怒鳴られた。

理不尽だ。

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