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幕間2 ワルズ・ブロド

俺の名前はワルズ・ブロド。

元帝国軍兵の一人だったんだが5年前軍上層部と喧嘩してその時一緒に飲んでいたダチまで巻き込んで左遷された。

今はサウスガーデンにある魔法学院でガキどもの面倒を見ているのだが…


どうやら今年はいつもと様子が違うらしい。

軍を離れているためここまで詳しい情報が来ないがどこかの国が仕掛けて来る気配があるようだ。

一応近くに飛ばされたゲイルに手紙を送ってみることにして俺は命令通り1年のガキが間違っても死なないように鍛えるとしようか。


敵が東のムー王国なら余り心配はいらない。

国境線であるホルス山脈が天然の壁となってこちらの物量で押し切れる。

だがもし南の小国であり属国であるエトア共和国が反乱を起こすようなら一大事だ。

今エトアはトップが病に倒れ後継者選びに四苦八苦し内政が滞っている。

属国とはいえ一国の政治にこちらから一方的に圧力をかけることもできない。

もしエトアが自滅しようものなら帝国は大量の難民とエトア共和国の復興に手を取られる。

それを南の大国ヴォーゼン王国が黙っているはずがない。

あの国は帝国が領土を増やし力をつけるのを良しとはしていない。

5年前のいざこざも元はこの国の密偵の処理だったのだから。


ヴォーゼンが攻めてきたら帝国の穀物庫であるここサウスガーデン周辺は焼土とかす。しかもあの国は子供の学び舎である学院にも容赦をしない。

未来の脅威となり得るモノを排除する。

その狂信的な考えが敵の軍には浸透している。

できればヴォーゼンが攻めて来ないことを今は祈るしかないか…



で、今年の1年だが目を引いたのは魔導士のトーマスだ。

1ヶ月目のクラス対抗試合であいつは魔力瞬動と全身纏を披露しやがった。

まだたった6歳のガキがだ!

だがそれが使えるというだけで使い方の方はため息がでる。

だがまぁ、これから鍛えればいい線行くだろう。この俺が鍛えるんだ。これは当然だろう。

他はCクラスのリーナという女子だろうか。

コイツは1ヶ月目のクラス対抗試合には出なかったがその後の訓練で全身纏を披露した。

魔法使いであるリーナが全身纏を発動し攻防一体になってしまうともう他の奴らは今の段階じゃ手のつけようがない。

今後魔術を覚えればさらに磨きがかかるだろう。


ゲイルが気まぐれで教えた二人が今の1年で一番とはな…

仕事以外じゃめんどくさがってほとんど自分から動かなかったくせにこの5年で心境の変化でもあったのかね。


「ワルズ先生、そろそろ行きませんと授業開始のベルに間に合いませんよ?」

「あ~、今行きますよ。すみませんね」

さてと今日もいっちょ扱いてやるか。

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