欠陥という名の烙印
ね、眠い。
眠気に負け船をこきそうになるがその都度話が終わり拍手が会場に包むのでなんとかもっている状態だった。
世界が変わっても学校のトップの話はこうも長いのか…。
ため息を漏らし妙な既視感を抱く俺だった。
そして眠い式典が終わり新入生は教室へと向かう。
その頃にはクラス分けが終わっていて“そのために先生たちの話が長くなるのだが”教室の入口に生徒の名前が並んでいた。
クラスは全部で5つ。A・B・C・D・Eクラスとなっていた。
Aクラスから順に見ていく。
平民出が多いので同じ名前がちらほらいるが名前の隣に出身地が書かれていてうまい具合にバラけている。
しかし名前が無い。Cクラスにリーナの名前を見つけたがまだ自分の名前が見つからない。
「な…!」
そしてようやく自分の名前が見つかった。
Eクラス、それは別にいい。順番に見ていたから自分がEクラスになるのは別に不思議ではない。
しかし自分が絶句したのは別の理由。
それはクラスの人数だった。
Dクラスまでは約20人だった。
しかしEクラスは俺を含めてたったの5人しかいないのだ。
女の子2人と俺を含めて男3人。
そしてその理由はこのあと先生から聞かされることになった。
「おはよう諸君。私の名前はシーマだ。よろしく」
シーマと名乗った女の先生が俺たちの担当だった。
「「よろしくお願いします」」
たった5人しかいないが元気なものである。
そして俺は早速クラス分けのことについて質問した。
「先生、どうしてこのクラスは他と比べて人数が少ないんですか?」
すると笑顔の先生がスーッと表情を引き締め、冷酷な宣告をする。
「このクラスは欠陥品の集まりだ。EクラスのEはErrorのEだ」
その言葉を聞いて教室が静まり返る。
すると隣りから泣き声が聞こえてきた。
確かビアンカという子だったはず。その子が泣いていた。
そりゃ泣くだろ自分が欠陥品と言われれば、周りを見れば俺以外の男子も泣きこそしていないが唇を噛んで項垂れていた。
「はいはい、まだ話は終わってないから最後まで聞きなさい」
手を叩いて話を聞くように促していく。
「あなたたちは魔法使いとしては致命的な魔力の投擲ができなかったためここにいます」
つまりこと戦闘になった際遠くにいる相手に魔法をぶつける事が出来ない事を意味する。なるほど欠陥と言われても仕方ない。それは圧倒的なアドバンテージを相手に与える事なのだから。
「ですからあなたたちは魔道士としての授業を受けてもらいます」
こうしてEクラス5人の魔道士としての授業が始まった。