云うは易し 行うのは難し
さて解決方法を聞いたからといってすぐにできる。なんてことはなく、両手以外の場所から魔力を放出しようと俺たちは四苦八苦しているところだ。
というか場所ごとに傾向が違うので今はそれぞれの場所をきちんとコントロールしようとしている段階なのだ。
まずは頭、この場所はどの場所よりも魔力が出るのが早く簡単に肩まで覆うことができた。しかし量をコントロールするのが難しく失敗して大量の放出を続けるとすぐに目眩と吐き気に繋がるので思うように練習が進まないのも苦戦の理由であったが。
次にへそだがこれはすぐ出てすぐ消えるのだ。
よほど集中してやらなければ放出もコントロールも意味がない。一度思いっきり集中して出してみたが心臓に向けて一気に魔力が昇ってきて胸を覆うのだが背中にまでは伸びてはいかず集中が切れて一瞬で霧散する。
取り敢えず今はへそは後回しにしている。
今俺が一生懸命練習しているのは両足なのだ。
両足はどの場所よりコントロールが簡単、しかしどの場所より放出が難しい場所でもあった。
そんな場所をわざわざ練習しているのは理由がある。
少量だが両足に魔力を纏い移動してみたのだが結果は驚くものだった。
前世の某漫画のキャラクターよろしく身体能力以上の速度が出て移動ができるのだ。
調子に乗った俺は等間隔に並ぶ木々の間を一歩で移動できるように練習中。
木々の間は約5m、調子が良くても今はその半分約2歩で移動はできるのだが一度はまった遊びはなかなかやめられない。
というかこの世界は娯楽が少なすぎる。かけっこに隠れんぼ縄跳びにボール遊びが大半で日が暮れたら終わりである。
魔法が使えるというのはいいことだ、こうして自分で娯楽が創造できるのだから。