しょっぱい味噌汁
どうも、緋絽です!
短いですが、どうぞ!
旦那の前には熱々の味噌汁、豚肉のしょうが焼き、キャベツ、ホカホカと湯気をたてている白御飯が鎮座ましましている。
「どうぞ」
「うん」
箸をとって彼が食べ始める。
私はその前に座って彼が口をつけるのを見届けてからそっと尋ねた。
「しょうが焼き、辛くない?」
「うん」
「味噌汁、しょっぱくない?」
「ちょうどいいよ」
「ごはん、べちょべちょかも…」
「大丈夫」
旦那がパクリと口に入れて、フッと口許を緩ませた。
「うまいよ」
うっと詰まる。
いつもいつも、この人は。
「……ありがと」
「うん」
しばらく心地いい沈黙があたりを包んだ。
無言でいても気楽にいられる人が彼。
「あのさ」
私は旦那の前でお茶を一口飲んだ。
「うん?」
「男の子だって」
「……え?」
キョトンと彼が私を見る。
「子ども。……授かっちゃった」
「……そっか」
驚いたように目を見開いた後、また彼は穏やかに笑う。こんな風に笑う時、彼はとても喜んでいることを私は知っている。
「やった。男の子か」
あぁ、よかった。喜んでくれた。
「今、四週目みたい」
「そっか。……無理、すんなよ」
「そうだね。あなたの子だもん、大事にする」
私の言葉に旦那がまた目を見開いてそっぽを向く。
「またこいつは……」
「え?」
「なんでもない」
「そう?」
「うん。ごちそうさまでした」
旦那が箸を置いて手を合わせる。
私はそれに頭を軽く下げて笑いかける。
「はい。お粗末様でした」
私はお皿を受け取って代わりに焼酎瓶と、それを注いだコップを置く。
「先に飲んでて。私は、紅茶飲むから」
「わかった」
私はお皿を洗うためにキッチンに入って水を出した。
「なぁ」
「うん?」
「俺と結婚してくれてありがとう」
え?
「何?」
思わず水を止めて振り返ると、彼はフイとそっぽを向いてコップを煽った。
「なんでもない」
そっぽを向く時、彼は照れているのだということも私は知っている。
だから私は、お皿を洗い目の前の景色が滲む中でこっそり笑う。
「………実は味噌汁、しょっぱかったでしょう」
背中で彼が笑ったのがわかった。
「赤ちゃんのためにも、上手にならなきゃね」
ねえ。私、今すごく幸せ。
読了ありがとうございました!