ヨルヨルさん
僕等が小学生の頃、作って流行らせた怪談噺『ヨルヨルさん』
最初は誰も怖がっていなかったし流行ってもいなかったと思う。僕等の時の怪談噺と言ったら『トイレの花子さん』が主流だったから
張りぼての様な幽霊に怖さなんてまるで感じられなかっただろう。
僕等の幽霊は、幽霊として不完全な存在だった。出来損ないの幽霊だった。
だから僕等は、確か【恐怖度】というのを作り、ヨルヨルさんという幽霊に信憑性を高める為の方法に▵4さふぃう◆sdふぃ―――――――。
そのお陰で念願だった僕等の学校に幽霊である『ヨルヨルさん』は学校の七不思議に付け加えられたんだ!
『花子さん』を越えることはできなかったけど『ヨルヨルさん』は、その次に確かな恐怖を持った幽霊になった。
小学校の同窓会で16年ぶりに再会を果たした僕等は、その話をした。『ヨルヨルさん』を覚えてる奴がいたから。しかし僕等が作ったあの幽霊のことを細部まで覚えてる奴はいなかった。ヨルヨルさんの提案者である僕がヨルヨルさんのことを全く覚えていなかったせいもある。
そして僕達は、二次会ついでに母校である小学校に青春であった思い出を拾いにいく為、訪れたのだった。
あなたは、ちゃんと自分の思い出を覚えてあげていますか?
------ねぇ、ヨルヨルさんって知ってる?
<プロローグ> 『同窓会通知』
2012/08/27 14:52
(改)