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プロローグ

AM.5:30

朝起きてする事は、まず朝食を作り、晩飯の残りと冷食を使い弁当を作る事だ。ご飯とみそ汁と焼魚を三人分作り、テーブルに並べる。我ながら、実に見事な日本人の朝食の風景である。6時半くらいに、親父と若い女が二階から降りてくる。

えっ?なんで親父と若い女が降りてくるのかって?実はそれには深い理由があるんだ。

「よう、毎朝ご苦労さん」親父が話しかけてきた。でも俺は返事をしない。

「チッ愛想のねえ野郎だ」親父が不機嫌そうに呟く。

「いいじゃない、そんなに怒る必要はないわ」若い女が親父をなだめる。

「おはよう幸介くん、今日もご飯おいしそうね」今度は俺に話しかけてきた。

「……」

「そんなにピリピリしないで、私の事はお母さんだと思っていいんだからね」

女の言葉に俺は本気でキレかけた。

俺の母さんは俺が小4の時に病気で死んだ。以来、ただでさえヒモな親父に拍車がかかり、毎日俺をコキ使い、毎日違う女を家に連れ込むようになった。

「止めとけよ淳子そいつ、俺が毎日美人と一緒にいるから、嫉妬してんだよ。はははは」テレビをつけながら親父が大声で言う。

途端に、俺の中で何かが音を立てて切れた。親父の胸ぐらを掴み、右の拳で渾身の力を込めて殴り付けた。

「てめえ何しやがんだ!!」親父を本気で怒らせたらしく、恐ろしい形相で睨み付けてきた。

「うるせぇ!もういい加減にしてくれよ!」次の瞬間、親父が俺の首を左手で掴み右手で何度も顔を殴りつける。

俺は必死にもがいて、右手の関節を付き出して親父の左目を殴る。

「ぎゃああああ!!」親父が大声をあげて床を転げまわる。「いやぁぁぁぁ!」女が耳の痛くなるような悲鳴をあげる。 俺は恐くなって急いで鞄を持ち家を飛び出した。

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