4.the Fourth Avenue Café
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L’Arc-en-Ciel編参加中
4.the Fourth Avenue Café
さぁさぁようこそ。
ここは町はずれの四番通り。
用のないものはこんなところには近づきませんよ。
それでも、ここに辿り着いたあなたは何かしら用を抱えているのでは……?
お気の済むまでここへいて下さい。
カランカラン…
おやおや、お客が来たようですね。
1か月に1人、お客が来ればいいほうのこの店に1日に2人ものお客。
今日は何かあるかもしれませんねぇ。
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こんにちは、マスター。
お話聞いて下さらない?
え、注文?
あぁそうね……ミルクティーを。
飲めないのだけどね。
私、今とても幸福な気分なの。
なんでかって?
それはね……
愛する人とやっと“本当”に、一緒になれたからなのよ。
あの人と過ごした日々は本当に楽しかった。
毎日が本当に薔薇色のようで、活気があった。
そんな毎日が当然続くものだと思っていたの。
よく考えたらそんなわけはないのにね。
あの人は、浮気をしていたの。
そして怒り狂った私は、あの人を家から追い出したの。
そして…家の近くを彷徨ったあの人は……
車に轢かれて死んでしまったの。
本当に悲しかったわ。
後悔したわ。あのとき追い出していなければ……って。
でもどんなに悔やんでも悔やんでも。あの人は戻ってはこなかった。
私はあくる日もあくる日も考えた。
そして、見つけたのよ。
あの人が戻ってくる方法を。
いえ、正確には戻ってくるではないわね……
あの人と一緒にいられる方法を。
あの人がもどってこれないのなら、私が行けばいいのよ。
ってね。
私はすぐに実行したわ。
今頃はもう見つかっているんじゃないかしら。
わたしのしたいが。
それで今に至るのよ。
どうしても、この幸福な気持ちを誰かに伝えたくて…
聞いてくださってありがとう。
ミルクティー、出してくださったのにね。
飲めなくてごめんなさいね。
このつぶれた喉に飲み物はちょっときつかったわ。
どうやって死んだらそうなるのかい。ですって?
そりゃ、首つりですよ。
ちょっとつらかってけどこれであの人にもう一度会えるのだと思ったら、そんなにきつくはなかったわ。
しかも、大体実体がないじゃないかって?
ええ。幽霊ですもの。
本当にありがとう。
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なんで青い顔をして震えていらっしゃるんですか?
驚くようなことでもないでしょうに。
だってあなたも……
ゆうれいなのに。