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キャベツを入れただけのカップ焼きそばの夜
仕事帰り、スーパーに寄る気力もなかった。
コンビニに入って、なんとなく棚を眺める。
弁当は重い。
総菜も高い。
結局、手に取ったのはカップ焼きそばだった。
(まあ、これでいいか)
それだけ買って帰る。
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家に着いて、上着も脱がないままキッチンへ向かう。
棚にあったキャベツを思い出す。
そろそろ使わないと悪くなる。
まな板を出して、適当に刻む。
丁寧に切る気力もない。
ザクザク切って、カップに放り込む。
お湯を注ぎ、三分待つ。
ソファに座っている間に、今日のことを思い出す。
言い返せなかったこととか、
どうでもいいミスとか。
考えても仕方ないのに、頭に残る。
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湯切りをして、ソースを混ぜる。
キャベツが少しだけしゃきっとしている。
箸で持ち上げて、ひと口。
(……うま)
いつもの味なのに、
キャベツが入っているだけで、
少しだけちゃんとした食事をしている気になる。
テレビもつけず、
立ったまま食べる。
部屋は静かで、
麺をすする音だけが響く。
特別なことは何もない一日だった。
明日もきっと同じだ。
それでも。
刻んだキャベツを入れただけのカップ焼きそばが、
なんとか今日を終わらせてくれる夜もある。




