仕事帰り、おつとめ品で作るカレー野菜炒めの夜
仕事終わり。
今日は、スーパーに寄る気力が少しだけ残っていた。
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店内に入ると、まずおつとめ品の棚に向かう。
値引きシールが貼られた野菜が並んでいる。
もやし。
こねぎ。
エリンギ。
手に取る。
理由はない。
ただ、安かったから。
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家に帰る。
冷蔵庫を開ける。
特に何もない。
(まあ、そうだよな)
買ってきた袋をそのまま流しに置く。
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フライパンを出す。
油をひくのも面倒で、そのまま火をつける。
もやしを入れる。
水分が出て、じゅう、と音がする。
エリンギは手で裂く。
包丁を使うほどでもない。
こねぎは適当に切る。
長さも揃っていない。
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炒めながら、何も考えていないことに気づく。
今日あったことも、
誰かの言葉も、
思い出す気力がない。
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棚にあったカレールウを見つける。
一欠片だけ折って入れる。
少しだけ水を足す。
溶けていく。
匂いが、急に強くなる。
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皿には盛らない。
そのままフライパンから食べる。
熱い。
でも、気にしない。
ひと口。
「……うま」
思ったより、ちゃんとしている。
カレーの味が、全部をまとめている。
もやしも、
エリンギも、
こねぎも、
特に意味はないけど、
ちゃんと“料理”みたいになっている。
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椅子にも座らず、立ったまま食べる。
部屋は静かで、
フライパンに当たる箸の音だけが響く。
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何かを頑張ったわけじゃない。
特別なこともない。
それでも、
おつとめ品で作ったカレー野菜炒めが、
なんとか今日を終わらせてくれる夜もある。




