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休日の即席おもちスープ

朝。


目は覚めたけど、起きる理由がない。


カーテンの隙間から、白い光だけが入ってくる。


(……何か食べるか)


棚の奥に、即席のおもちスープ。


小鍋に水を入れて火をつける。


その間に、乾燥ワカメをひとつまみ。


冷凍庫を開ける。


ジップ袋に入ったほうれん草。


昨日、近所の人にもらったやつ。


「畑で採れすぎちゃって」


そう言って、笑っていた。


(ちゃんと使わないとな)


凍ったまま、ぱきっと折って鍋に入れる。


お湯が沸く。


ほうれん草の緑が、少しだけ明るい。


スープの素を入れる。


最後に、もち。


ぷか、と浮かぶ白。


弱火にして、少し待つ。


もちがやわらかくなって、

端がとろっと崩れる。


火を止めて、器に移す。


湯気が立つ。


テーブルに置く。


静かな朝。


ひと口。


あつ、と声が漏れる。


(……うま)


即席なのに、


もらいもののほうれん草が入るだけで、

なんとなく、ちゃんとした朝ごはんになる。


誰かと約束があるわけでもない。


予定もない。


それでも。


畑の土の匂いを思い出しながら、

湯気の立つ器を持つ朝は、


悪くない。


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