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雨の日のコーヒー

 朝から雨だった。


 休みの日なのに、目が覚める時間はいつもと同じで、もう一度寝ようとしても眠れない。


 カーテンを開けると、灰色の空と濡れた道路が見えた。


 出かける気にもならない。


 予定もない。


 スマホを見ても、特に連絡も来ていない。


 少しだけ、世界から取り残された気分になる。


 キッチンへ行き、コーヒーを入れる。


 お湯を注ぐ音と、コーヒーの匂いだけが部屋に広がる。


 マグカップを持って窓の前に座る。


 雨粒がガラスを流れていくのを、ただ眺める。


 誰とも話さない休日。


 何もしなくていい時間。


 それなのに、胸の奥に少しだけ残っている疲れや寂しさが、ゆっくり浮かんでくる。


(……まあ、いいか)


 誰に言うでもなく、心の中でつぶやく。


 コーヒーをひと口飲む。


 少し苦くて、少しだけ体が温まる。


 雨音を聞きながら、ただ座っている。


 それだけなのに、さっきより少し楽になっていることに気づく。


 今日が特別な日じゃなくてもいい。


 何も解決しなくてもいい。


 雨の日くらい、立ち止まっていてもいい。


 窓の外では、まだ雨が降っていた。


 マグカップを両手で包みながら、もう少しだけ、この静かな時間を味わうことにした。

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