ざまぁ。小さい頃に俺を捨てたのが運の尽きだったな。
文学作品でざまぁ系書いてみました。
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俺は生まれつき目が見えない。
だから、両親は俺をすぐに捨てたらしい。
………と、俺の今の母さんから聞いた。
母さん、小野紗弓は、俺を養子として引き取ってくれた恩人である。
また、障害者施設でも働いており、いろんな子どもと接してきたそう。
「みんなわたしに懐いて来てくれて、愛らしくて仕方ないのよね」
そう話して帰ってきた時もあったっけか。
そんな感じで、職業柄か子どもが好きで仕方なかった母さんだったが、24歳の頃に不妊と診断され、子宝に恵まれることはないと悟ったそう。
……さぞ、悔しかっただろうに。
また、婚活も上手くいかなかったらしく、出会う男もクズばっかりで、自身が40歳になったのを引け目にして退いたそう。
そこで、引き取られたのが俺である。
名前は、小野達希になった。
そこから、子ども好きな母だけあって、俺は愛情を受け取りながら日々を過ごしていた。
しかし、俺が段々と成長していくと、
「何で俺は周りの子達と違って目が見えないの?」
のように、周囲との違いに苛立ちを感じ始めていった。
実は母の意向で、盲学校に通わず、普通の学校に通うという選択をとっていた。
しかし、そのせいあって、周りからはあまりいい目で見られず、盲目であることをイジられ、俺は周囲との違いへの不信感を募らせていった。
その日、帰ってきては否や、
「前の親も、目が見えない僕が不要だから捨てたんでしょう?
……なんなら、母さんも僕を捨ててよ!
こんな人生に価値なんかないよ!
早く楽にさせてよ!」
と、声を大にして言ってしまったっけか。
しかし、母さんは怒ること1つせず、
「……確かに、達希は目が見えない。
だけど、そんな貴方を私は愛してる。
それに、目が見えなくても活躍してる人なんてこの世にいっぱいいる。
だから、達希も希望を抱いて。
何でも、言う事聞くから。
………一緒に、達希を捨てた両親を見返しましょう」
と、優しく語りかけてくれた。
それが、俺にとってどれだけ嬉しかったか。
これからというもの、この言葉を胸に抱いて、学校にも頑張って通った。
友達だって作ったし、学業だって頑張った。
すると、そうする内に、自分が没頭できることを見つけた。
水泳である。
学校の水泳大会で1番を取ったことをきっかけに、プロを目指すようになって、母さんに無理言って多くのプロを輩出してるスイミングスクールにも通った。
そしたら、だよ。
暗闇の中、コーチの指導のもと、苦しいまみれの努力を続けたら、18歳の時にパラリンピックに出ることができて。
そのまま銅メダルを取れたよ。
メディア達は、若き天才として大きく取り上げてたっけか。
そして、その後は全国選手権を制覇するなどして有名になっていって。
自分で言うのも何だが、日本の水泳界のスターみたいになってた。
そんなある日、誰の伝かは知らないが、俺を産んだと言う両親が家に尋ねてきた。
もちろん、母さんと俺は戸惑って。
そしたら、
「息子さんを返していただけませんか?」
なんて言い出しやがった。
そりゃあ、こっちは「は?」って思うよな。
だから、声を大にして言ってやった。
「ざまぁ。
俺を捨てたことを後悔するがいい」
ってな。
そしたら、泣きながら家を去っていったけか。
その後、俺は母さんとグータッチしてた。
やっぱり、神様っているんだな。
ざまぁ。
ご読了ありがとうございました。