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始まり
如月の寒空の中
僕はよからぬものを手にしたのかもしれない
高校が終わり鐘がなる
そして夕焼けの丘に吹いている風を切り裂きながら坂を下る
あんなに気持ちがいいことのにあと20数回ほどでこの街を離れることになるのはただ寂しくなるばかりである
そんな現実になにかを覚えながら僕は近くのベンチで佇んでいた
ただそこにいただけだったのに
なにか視界の端っこにここにあるはずのないものがあったので僕はそれに近づいて触ってみた
すると前頭葉に情報が流れてくる
それの使用方法、構造、そしてこれがタイムマシンであることも
僕は悪いことが起こらないように祈りながら宣言した
「パラフォーマーSeptember fifty
テレポーター湊浜」
どうやら呆気なく過去に来てしまったようだ
それでも景色が美しい
車道のアスファルト、道端のパンジー、そしてどこまでも広がっている夕焼けにも美しい色彩がかかっていた