表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Real_RPG  作者: MLCCHI
2/3

第ニ話

勇はアパートに戻り、敷きっぱなしになっていた布団に横たわり、まだ整理できない

今日の出来事について考えていた。


あの後。

 喫煙所に入り、たばこをくゆらせながら同じく喫煙所にいた50代ぐらいのおじさんに

 話しかけてみた。

 「あの・・・」

 声をかけるのと同時に

 「あんた武器も持たないで街の外にでるのは危ないよ。最近モンスターがおおからねぇ」


 「・・・・・」勇は話すのをやめた。


 (モンスター、武器・・・ついていけない)


 吸っていたたばこを限界まで吸ったところで、勇は歩きだした。

 会社のことはすごく気になってはいたが、もうそれどころではなかった。

 

 一度アパートに戻り、今日は一日寝てこの悪夢を覚まそうという思考にいたった。


 いまきた道を戻っていったが、その間も通常と違うことが次々と発生した。


 まず、駅となりのカフェ。お客も店員もいそうなのに、ドアが全くあかないのだ。

 カフェだけではなく、ファーストフード店、ファミレス全てが同じ、人がいるのにドアがあかない。


 なかば諦めていたが、試しにコンビニにチャレンジしたところやっと入ることが出来た。

 

 ただ、そこもいつものコンビニでは無かった。

 店内に陳列していたパンをとろうとしたが、とることが出来ない。

 詳しくいうと、包装紙からカチカチに固まっており更に棚に固定されている為とることが出来ない。


 店内をぐるぐるまわりいろんな商品を試してみたがやはり全て同じ状態だった。


 食べ物や日常品がまったく購入することが出来ない状況に勇は当然あせり、

 店員に話しかけてみた。


 「いらっしゃいませ。本日どのようなご用で。」とクリアファイルに入ったメニュー?をだしてきた。

 さすがに驚きもしなっくなった勇は、『買う/売る/特にない』と書かれていたメニューを眺め、「買う」と回答した。


 「ありがとうございます。なにをおもとめでしょう。」と店員は別のメニューを提示してきた。

 内容をみると『回復液、毒消し薬、木の帽子、木のボウ』。

 「・・・・・・。」いろんな意味で迷う。

 唯一救いなのは金額に円と書かれていた。

 (円、普通の通貨は使えるのか?)疑心暗鬼の固まりとなっている勇は、勇気を出して

 「回復液と木のボウ」を注文した。

 「ありがとうございます。回復液、1000円、木のボウ、3000円となります」

 もう高いとか思う感情も無く、財布にある4000円を店員に手渡した。

 「ありがとうございます。他にご用は。」とまた雑なメニューを出してきた店員に対し、

 「特にない」と応え店をでた。


 手に入れたのは、大きく回復液と書いた液体となんのへんてつもない木のボウ。

 (木のボウなんて持って歩いたらそれこそ危険人物だなぁ)

 なんて心配も必要ないほど、帰り道も人影が全くみあたらなかった。


 早く家に帰って休みたい。そしてこのおかしな状況から覚めたい。

 そんな気持ちから、やや早歩きになりながらきた道を戻っていった。


 そろそろ、こんな日のきっかけをつくったあの生物が出てきた場所に近づく。

 また、出るようなら手に入れた木のボウで思いっきり殴ろうとかまえぎみにその場所まであるいた。


 生物の姿はなかった。


 ホッとしつつアパートに戻り、部屋着に着替えて布団に横になった。  


どう頑張っても整理できないこの出来事が今まで起こった全てだ。


(本当に起こったんだろうか?)

今まで起こった出来事を思い返しながら、現実逃避をする。


スマホをとる。やはり動かないまま。

帰ってためしたが、テレビもつかない。


勇はずっと天井を眺めていた目線を横になりながら出勤時用のカバンに向けた。


「ん!」

勇はカバンがうっすらと青く光っているのに気づく。


「なんだ?」起き上がるとすぐにカバンを手にとった。

中をみてみると1冊のノートが青く光っている。

「なにこれ?」カバンから取り出す。


『呪文』

と、表紙に記されていた。


「呪文??」

勇はノートを開いてみる。そこにはもう恐怖心などなくなっていた。

『リカバリ』1ページ目に記載されていた。


「リカバリ・・・」と勇がつぶやくと耳元に軽いイントロのような音楽がなり、『リカバリ』のページに書かれていた10MPの数字が

7MPに変わった。


そしてなにより変わったのが、勇の身体だ。

空腹だったお腹はみたされ、朝の出来事で疲れていた身体に力が満ちてくるのがわかる。


そこで勇は帰ってからずっと考えていた事が口にでた。


「これって・・・ロールプレイングゲームじゃん・・・」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ