てふてふ。
若き頃の話
恋焦がれて
蝶のように追いかけた
桜が乱れて
暖かな風が吹く
雪解けの頃でした
いつか
いつか……、
実ると想い
遥かな都会のネオンの下
口にした言葉
彼に受け入れられず
枯れた羽根
零れる蜜
しょっぱくて酸い
苦虫どもが嘲笑う
「水求めるなら帰れ」と
光の下で幸せそうに嘲笑う
変わらぬ季節を彷徨いながら
遠のいた故郷の絵を眺めつつ
いつか
いつか……、
そう、いつか
草木が戯れ
涼やかな風の音響き
鈴虫の鳴く頃に
帰ります、我が故郷へ
帰ろう、故郷へ。私にはきっとそこがお似合いなのだわ。