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第六話 ゴブリン蔓延る洞窟を攻略しよう

「第五話 決闘をしよう(上)」に続き、物語のページをめくって頂いたこと、誠に感謝致します。


兼ねてよりやりたかった、対ゴブリンクエスト。

先輩作となるゴブリンスレイヤーをねっとりと見回してイメージしましたが、あれほどグロくはなく控えめだと思います:( ;´꒳`;)


では、「第六話 ゴブリン蔓延る洞窟を攻略しよう」をお楽しみくださいませ。

 リーアを奴隷前の等級だった銀等級に迎え、また新入りの歓迎会と酒飲みの口実と女との接点を作りたがる男共に巻かれ、その日の夜は豪華な食事に彼女は姉と一緒に目を光らせていた。

 思えば早くも決闘から三日後が経ち、組合長や古参の冒険者からも一目置かれる存在となった私は、それと対照的に肩身が狭かった。


 というのも、ツテを通じて別の組合などへの紹介が絶えず、歓迎会の合間に既に5件は来ていて、酒を飲むにも酔いで口を滑らせOKを出してはいけないと自粛しているのだ。


 今や、目付け役として組合長の傍でちびちびとビールを飲みながら今後のことを仄かに考えていた。


 彼女たちに銃を使わせるため、アサルトライフルとハンドガンぐらいはある程度知識を持たせてから行くべきだろう。

 使うのはHK 416とHK45などだろうか。

 後にM27 IARと、FN 5-7を標準装備にする予定だ。

 私は、三年もゲームをやっていたからスナイパー、アサルトライフル、マシンガンetc……酔狂な武器でなければ、大体の武器は扱える。

 だが肝心の練習場所をどうするか、それがまだ決まらずにいた。


 練習様子を誰にも見られない場所でやるのは、少し苦悩する。

 近くにゴブリンが蔓延る洞窟があるとかないとか、前にクエスト用紙にあったような……。

 そこを手早く攻略して、練習場にしてしまいますか。


「ローヴェン組合長、少しいいですか?」


 傍にいる組合長の袖をクイクイと引っ張り、悪くも他の冒険者と談笑している所を邪魔してしまった。


「ん?ごめん、また後で……なんだい、なんでも聞くよ?」


 断りを入れて会話を一旦中止し、気品溢れる様子で聞き返す。

 かなりカリスマ性が高そうなこの男は腐っても組合長だ。頼りになる。


「これは私が提案する、ローヴェン組合拡大にも関わる、その1つ目なのですが、クエストにゴブリンが蔓延る洞窟の攻略するやつありましたよね?」


 確認をとるようにそう質問する。規模のわりに報酬が少ないと、ここに下ろされたクエストでありながら誰もてをつけていないものだった。


「ああ……そうだな。とはいえ、それなりの規模だ、君一人が受けるには辛いぞ」


「分かってます。ですが、私はあそこを攻略して、ルーアやリーアが銃の扱いを練習できるようにする練習場にしたいと思っています」


 そのために、手が空いている冒険者を数名参加させて欲しいという事だ。

 私とルーア、リーアでもなかなかに辛いだろう。ゴブリンの扱いに長ける人を何人か同伴させてもらい、手早く攻略。

 クエスト報酬と懐の中にある寄付金の余りを使ってあそこに練習場を作るというのだ。


「それは……ギルド裏にある冒険者練習場を使えば良くないか?」


 組合長は驚愕した。言ってくれれば、ギルド裏にある冒険者練習場を開放して使わせようと思っていたからだ。

 現世の小中学校などにある体育館より小さいぐらい場所だ。


「いえ、それでは大きさが足らないんです。それに市街地で銃を四六時中発砲している状態を思い浮かべてください。私達は慣れても、周りの市民はその音に怯える日々を送るのでは?」


 黒恵に付け加えてそれを使う時のデメリットを指摘され、納得はした。

 先の決闘、黒恵の銃という武器からは絶え間なく破裂音が響き、街の人が不安がり冒険者が何事かと集まってきた。

 それが何度も来る組合勧誘に繋がるところでもあるし、あんな目立つ場所を選んでしまった自分の責任もあった。


「……分かった、しばらく黙り込んでいるから大丈夫かと心配したが、それも無駄だったようだ」


 組合長は、そういうと大きな笑いをこぼし、私の肩を二度大きく叩いた。


「それまで大層な練習場だ。我がローヴェン組合の冒険者達に、銃を教えてくれるというのだな」


「はい!それこそ、ローヴェン組合がこの街……いや、この世界最強の組合になる事は間違いようがないでしょう。先に言おうとしてたのに言わないでくださいよ!」


 お返しと言わんばかりに、気品ある飲み方でワインをくいっと一口飲む組合長の背中を叩き、おおいに噎せさせた。

 会場は大きく笑いが飛び交い、程なくして酒に潰れたルーアとリーアを両手に、宿までえっちらおっちら引きずって行くのだった。


  翌日、私は例のゴブリン蔓延る洞窟を攻略するクエストを受注。

ルーアとリーアは、既存の双剣を使ってもらうことにした。

 組合長の目利きでクエストに参加してもらう、銀等級のラルツさんとベルフさんは、二人とも小ぶりな剣と小盾を持ち、動きやすいレザー装備で挑む。

 私は愛用するサイレンサー(消音器)を付けたFN P-90、それと弾薬が同じFN 5-7、その他暗視装置などを使用し、部隊の目と耳になる。


 洞窟の近くまでは馬車で四時間ほど走り、簡易的な拠点を設置。

私が斥候となり、夜活発に動くゴブリン達が出入りする洞窟入口辺りをカメラで捉え、持ち帰る。


 夜になる前に魔除のお香を焚き、対魔物の結界を張って、焚き火を五人で囲みながら、夕食ついでに明日の作戦会議を行う。


 写真には、大人一人が屈んで入れるほどの小さな穴。

 その横には、動物の骨を使ったトーテムがあり、ゴブリンシャーマン(魔術使い)が居るようだ。

 規模は、目撃証言などを辿るに50は下らない規模。

 内部をスキャンしたCG作成の洞窟図を画面に呼び出し、内部掃討の手筈も決まった。


 内部は2つの階層に分かれ、地上に出てる方が上の階だ。

 他にも二つほど出入口があり、それはラルツさんとベルフさんが岩か何かで閉鎖し、合流して選んだ一つの道から突入する手筈になった。


 作戦会議が終わると、雑多な話が飛び交う。

 ラルツさんとベルフさんは、あの場所であまり聞けなかったリーアの奴隷生活を何故か聞きたがっていた。

 ルーアはルーアで、使わせてもらえる銃はどんなものなのか、5.56ミリ弾と7.62ミリ弾の違いは口径以外に何があるか、など勉強熱心に、銃の事を質問攻めにした。


 ネットには繋がらないが、スマホに入れていたアプリから探してそれを棒読みで説明したりすると、あっという間に時間は過ぎ、交代制で眠りにつき、あっという間に太陽が昇り作戦は始まった。


「こちら黒恵、各位聞こえますか?」


 翌日、見張らしがよく冒険日和な正午の空の下、無線機を各自に配りその場で感度と返答の様子を見る。


「こちらルーア、聞こえます」

「リーア、聞こえます!」

「ラルツ、聞こえる」

「ベルフだ、同じく聞こえる」


 全員の返答を問題なく確認すと、武器を持って作戦を実行に移す。

 ラルツさんとベルフさんは先行し別れ、私達は背の高い森林を進む。少しすればゴツゴツとした岩場になり、それを少し進むと洞窟を見下ろす形で位置についた。

 野球の球のようなドローンを落とし、スイッチピッチのように形を変え滞空を始めると、先に洞窟内を潜らせ偵察を始めさせた。


「こちらラルツ、穴を封鎖し終わった。今から合流する」


「こちらベルフ、ゴブリンに見つかった。ルーアかリーアに申し訳ないが応援に来てもらえないか?」


 ラルツさんの方は問題なく進み、ベルフさんもまもなく来ましたが、あちらは上手く進んでいないようだ。

 振り返り二人に目を合わせ頷くと二人も頷き、岩場を飛び降り走って行った。


「分かりました、二人とも行かせます。この際です、封鎖をせずそのまま突入してください。少し前に行けば直ぐに合流出来ます」


 そのぐらい戦力がいれば問題は無いだろう。

 合流地点を新たに設定し、その二通路をドローンに偵察させる。

 どちらの通路も問題なく、その脇道なども敵は少ない。


 ラルツさんと合流すると、くらい洞窟を松明を燃やして進む。

 外の暖かく、乾季だからかカリカリとした湿気の薄さは洞窟内では対比して、冷たく湿り淀んだ空気が、辺りに充満していた。


「待ってください、この先の脇道にゴブリンがいます。私がやりますので、ラルツさんは後方警戒を」


 右手で止まるようジェスチャーし、そういう所ストレージからスタングレネードを取り出す。


「分かった、暗くてかなわないから、言う通りにしよう」


 敵がいる脇道を通ってはスタングレネードを投げて閃光によって目をくらましてからヘッドショットで殺す。

 戦闘が終わるとすぐにラルツさんに指導され、ゴブリンの血を滲ませた布を首や腰に巻いて女の匂いを消す。


 そうして脇道に待ち伏せるゴブリンなどを処理していくうちに、合流地点に到達。

 少し時間をかけてベルフさん達とも合流し、下へ続く道を一旦閉鎖すると、その階層の掃討を開始した。

 地図を視界内に展開でき現在地を手に取るように把握出来る私が中心となって、ルーア達には閉鎖した場所の警備を任せる。


 間もなくして掃討を完了し、下が騒ぎ始めていたので、三つある所を一つ目はベルフ、ルーア。二つ目を私。三つ目をラルツとリーアを同時に開き、スタングレネードを放り込んで電撃のように突入した。

 閃光に目を晦まし、叫び声を上げて崩れ落ちるゴブリンの狙いやすい胴体に銃弾を浴びせる。

 左から右へ、照準に重なるところをフルオート。指切りで弾数を節約しつつ、ざっと11匹を殺す。


 その部屋の奥には、ゴブリンシャーマンが他のゴブリンに喚き散らしているところに遭遇。

 P-90の残弾を全て吐き出し、5匹程を射殺。


「大丈夫ですか?意識はありますか?」


 その場で地面に全裸で横たわっていた冒険者らしき女を発見した。


「助…かっ……た?」


 その惨状右脚にナイフがささり断裂していたりなど、形容するにも言葉を失うような惨状だった。


「助かりました、今処置をするので動かないでくださいね」


 断裂部を包帯で縛り止血。他の患部も処置し、回復薬を飲まして適当な布を着させる。

 最初は間に呻きしばらくの間は激痛に顔を歪ませていたが、じきに荒い息も収まり、緊張も緩んだのか眠りについてしまった。


「こちら黒恵、重傷を負った冒険者らしき女を発見。処置を施し、今は眠ってます。それとついでにゴブリンシャーマンも殺りました」


 そう全員に報告すると、重傷を負っている彼女を担架に乗せ、ルーアとリーアを呼んで安全な拠点まで運ばせた。


 その後ラルツさんとベルフさんで、残りの敵の掃討を開始し数分、さっき来たゴブリンシャーマンの死体が転がる部屋で、私は立ち尽くしていた。

 この先に、最後の敵アイコンが五つほどあるからである。


「まさか、見逃していたとは……」


 骸骨で組まれた椅子を蹴り、その奥にあった木の柵を退かす。

 そして、その先に見たもに衝撃を受けた。


 小さいゴブリンだ。

 後ろに転がる1メートルと少しぐらいの死体と比べると、子供なのだろうか。

 私の姿に腰を抜かせ、後ずさりする。


 それと同じように、私は入る前に構えていた銃の引き金を引くに引けず、その場で硬直してしまった。


 ()()罪を犯してはいない、ゴブリンの子。

 それを躊躇うのを阻止するように、その討伐報酬は通常のゴブリンの三倍もある……決して体は赤くはない。

 それを前に、引き金を絞る私の手はトリガープルの何倍にも固くなり、引くことは出来なかった。


「大丈夫か?自分で殺すことに抵抗があるなら、そう言え。俺達が行くから、お前は耳を塞いで待ってろ」


 新米冒険者は、良くなるケースなのだろう、熟練した冒険者はそう言い、私の肩にそっと手を置く。


 だが、これを提案したのは私だ。

 ゴブリンなんざと他の命を軽視していたから言えた事だ。

 その責任は、他の四人よりも重いだろう。そしてその重さからか、私の肩は岩よりも堅かった。


「私が……殺します」


 P-90では足らないと、SIX-12のスタンドアローンバージョンを取り出し、先程よりも軽くなったトリガープルを感じ、躊躇い無く思いっきりトリガーを引く。

 五回も響く破裂音と共に室内を甲高い悲鳴が谺した。


 最後の敵を殺し、掃討が完了するとあとは死体の集積金目の物の集積と、ある程度の掃除。

 集積しながら数を数えると、ゴブリンは72匹もこの洞窟の中にいた。

 汚物溜めの中からは三人の冒険者の遺体が発見され、それらを含めた八つの冒険者タグも発見した。


 金目の物と言えば、大きな木箱二個分の金品財宝が確認され、その価値は予想もできない。

 冒険者達が持っていたと思われる背嚢の中に入っていた 所持金もそこにある。

 武器は雑多な剣や弓が100を下らない程はあり、弓矢なども相当数あった。


 周辺を再度スキャンし、ゴブリンの残党がいないことを確認すると、拠点を洞窟の入口前に移し、クエストは滞りなく完了した。

「第六話 ゴブリン蔓延る洞窟を攻略しよう」お手に取りお読みいただいた事、まず御礼申し上げます。

次々と新しい装備なども導入していき、今度は無線機も投入。

機動的な作戦行動に向け、着々と準備が進んでいます。


それでは、次話


「第七話 クロエ・ブートキャンプの準備と夜明け」へ続きます……。

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