良かったね。岡山君。
午後の授業が始まる前に、岡山の作戦について話しておこう。
まず、うちのクラスには、萩本紗夜と言う、超絶美少女がいる。
少し大人びた感じで、簡単に言えば、男子全員の憧れの的だ。
……言動は少し幼いが。
スタイルは、可もなく不可もなくといったところで、身体が普通だけど顔が高嶺の花過ぎる存在なのだ。
岡山の作戦とは、風の魔法を使って萩本のをめくって、絶対聖域を覗いてしまおうぜと言う話だ。
「「お前よくこんな事思いつくよな」」
俺と神崎が真逆の感情を持ちながら、同じ言葉を発する。
今、俺たちは通学路を歩いている。
……萩本の真後ろで。
まぁ、神崎の家がこの辺だから、怪しまれても、一緒に帰ってるだけとでもなんとでも言えば誤魔化せるだろう。
……萩本のヌケた頭なら。
「よし、行くぞ?」
「おう……」
「隠れる準備はオッケーだ」
風を吹かせるんだから、隠れなくてもいいだろと思うだろうが、念には念を入れて、怪しまれない様にするためだ。
……こちらも萩本のヌケた頭ならどうにかなるだろう。
「よっ……」
萩本の斜め後ろから風を発生させる。
「わっ!?」
……退避。
「もぉ〜。何この風ぇ〜」
萩本が後ろを向くが、俺たちは既に隠れた後だ。
「はーぁ。何なの?一体。天気予報では風ないって言ってなかったっけ……」
隠れてよかった。
隠れて無かったら絶対怪しまれてたやつだ、これ。
「見えたな」
「マジで」
「帰ろうぜ?」
空気の読めない俺が声をかける。
「バカやろっ!普通ここで余韻に浸るだろ!」
「そーだぜ!」
「じゃーお前らは浸ってろよ。俺は帰るから」
「「じゃーなー」」
「あぁ、また明日な」
帰ってから、通話アプリ「MINE」で、高橋から連絡が来た。
高橋「今日、どうだった?」
岡山「じゃあお前も来りゃ良かったじゃん」
高橋「そういう意味じゃなくてだな……」
神崎「見えたぜ!しっかりとあいつの○○○(自主規制)が!」
高橋「へぇー。良かったじゃん」
虹野「まぁ、明日ボコされなければ成功だな」
岡山「ボコされなければったってお前ウィザードなんだから反撃できるじゃん」
虹野「最悪回復魔法もあるしな」
……。
3人 「「「お前マジ神!!」」」
3人同時に返信が来た。