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吹奏楽のなかの。  作者: 南央
2人のまわり
7/57

部長は何でも知っている 2

 「と、いうことがあったわけですよ」

 帰り道。部長としての仕事が終わるのを待ってくれていた太一に、さっきあったことを話す。

 「森菜摘? あんま気にしたことないけどなぁ…。あんま目立たないし。1年は入ってきたばっかってのもあるけど」

 「そっか」

 よく考えれば、気にされても困る。森ちゃん可愛いから、そんな子のこと太一が気にするようになったら、焼いたおもちで心がいっぱいになってしまう。世ではこういうことを、やきもちといいます。…違いますね。でもそれは我ながら恐ろしい。

 「すっごい可愛いんだよー、接してみると。ほら、2年の男子、誰か森ちゃんのこと好きになっちゃったんじゃない?」

 「それはな……いことない」

 「え」

 自分から振っておきながら、予想外の言葉にびっくり。

 「え!? 嘘ー! え、誰?!」

 「嫌だ、教えたらはっ倒されるー」

 「情けない3年だ」

 「うるせ」

 これは相当固い。はかせるのは無理とみた。

 けど諦めない! 明日の朝のミーティングのとき、2年の男子ガン見してやる。絶対森ちゃんのこと好きな男子見つける!

 「そういえば」

 太一が私の方に向きなおって、私の唇を指す。

 「な、なに?」

 何するんだ、こいつは。

 「最近お前、『恐ろしい』ってよく使うよな。なんかよくないらしいけど。世の中恐ろしいもんだらけになるとか何とか」

 なにそれ、恐ろしい…。あ、今使った。

 「いやだー、なんでそんな恐ろしいこと…ってまた使ったぁ」

 「あーあー、やばいよそれー、不幸になるよー、恐ろしいこと起こるよー」

 「やめっ! 恐ろ…、縁起でもないこと言うなっ!」

 太一の背中をたたく。

 「いやでも、お前には宮脇がいるもんな。怖いものなしだ」

 「葵を何だと思ってんの?」

 「普通に勇者」

 「絶対馬鹿にしてるでしょ! 葵に謝れー!」

 「あーあー、すいません、すいません」

 本音じゃない、ひどい!

 「けど」

 改まった口調で太一が言う。

 「帆奈には俺もいるから、な?」

 数秒の沈黙。

 「…太一、ごめん」

 私は勇気を出して言う。次の言葉を言うのをためらう。でも、言わなくちゃ。ここで、言わなくちゃ、これからもっと太一は傷つくかもしれない。

 ……よし。

 「今の、全くカッコついてなかった…。なんか情けなかったかも」

 「は?!」

 いや! 今の太一の顔面白い!

 爆笑している私に太一が言う。

 「ビビった。今のビビった。別れ話とかかと思った…」

 「そんなわけないじゃん。だって太一のこと大好きだもん」

 うわー。自分で言っといて、かなり照れる。

 「俺だって、帆奈のこと好きだよ」

 へへ。嬉しい。

 やっぱり太一に真面目は似合わないなって思ったことも、でも、そういうとこが好きだってことも、太一には内緒だ。

帆奈って読みにくいですよね。はんな なんですけど…笑


観覧感謝です。


誤字・脱字などどんどん指摘お願いします。

感想とか来ないかなーとか1人ですごく楽しみにしてます。

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