受傷後5日目 一人悶々……
更新が遅くなってしまいすみません;;
黒猫さんばです。
なんだか、スポ根ですが良かったら読んでくださいw
それと、読んでいただけたら是非、足跡を残してもらえるとありがたいです。
批評なども宜しくお願いします。
今日はバレーボール部の試合があります。
全国大会への切符を賭けた大事な試合です。
出場はもちろん、応援にすら行けない私は、ベッドの中でひたすら祈るしかありません。
チームの中枢を担っていた私が抜けた今、勝てる見込みはフィフティフィフティか……自惚れ屋でスイマセン……
とにかく、私にはみんなの勝利を願って“待つ”ことしかできないのです。
それにしても、目深帽子はなんで今日ではなく明日来ると言い残したのか……何か大事な用事でもあったのか……
あぁ……イケナイイケナイ。真冬たちの勝利を祈るはずが、なんでアイツの話になるんだ……
アイツが気になるから?いゃ、それはない!無い!絶対無い!うん。
でも……
『なにがって、オマエに決まって━━』
アレは嬉しかった……かな?
乙川 姫乃16歳。青春真っ只中。一人悶々とするのであった!
両チーム2セットごと取り、ゲームはこの最終セットに託されました。
私、水谷 真冬は今、そのコートの中に立っています。
第5セットは先に15点先取したチームの勝利になります。
私達県立O高校は、私立K女子高に13対14と大ピンチです!
次のボールが私達の陣営に落ちた瞬間、敗北……全国への道が閉ざされます。 相手チームのサーブ、ボールは低い弾道を保ちネットをかすめながら向かってきました。
落下点は無人。まさに神業的サーブでした。
(落ちないでぇ!!)
私の祈りを嘲笑うかのように、ボールは地面に接近していきます。
しかし!
その時、ボールは高く跳ね上がりました。
ボールをすくいあげたのは一年生のルーキーでした。
練習のとき、とても苦手だと言っていたレシーブを……しかもこの土壇場で……
彼女の目は、まだ闘う目でした。
私は彼女の、みんなの繋げてくれた思いをネット前に上げました。
身長の低い私には、得点を狙うことはとても難しいです。
しかし、
トスを上げて、みんなをサポートすることは出来ます!
私が上げたボールは、姫乃の代わりに入った先輩によって敵陣地を撃ち滅ぼしました。
14対14。ここからは先に二点取った方が勝利です。
私は負けるわけにはいきませんでした。
いぇ、私は負けても良かったのです……
だけど、
姫乃のために負けるわけにはいかない━━
人一倍練習して、嫌なことも進んでやって、あんなに頑張っていた姫乃の努力に報いるため、私は負けるわけにはいきませんでした。
こちらのサーブです。弧を描いたボールは敵地に向かっていきます。
しかし、
相手チームの一人がそれを軽々とネット前に上げると━━
ダンッ!!!
速攻です。
ボールは無情にも私達の陣営に大きな音を立てて跳ね回りました。
もぅ、後がありません。
周りの歓声がとても小さく聞こえます。
聞こえる……いゃ、感じるのは私の心臓の音と息遣い……
私はある歌を思い出していました。
━━どんな人でも、人生に一度はスポットライトを浴びる日がくるんだ━━
ホントでした。地味で地味で地味な私だけど、こんなに鼓動の高ぶる舞台に立っているんです。
最後まで諦めない!
相手チームのサーブです。緊張しているのか、深呼吸を繰り返しています。
最後に大きく息を吸い、彼女はボールを投げ上げました。
私たちが身構えると同時、彼女の右手がボールを打ちました。
ボールはかなりの速さでネットを越えてきました。
あの状況下であれだけのサーブを打てるなんて……すごい精神力です。
スピードを威力に変換したボールは、先程のルーキーを狙いました。
ルーキーはなんとかボールに触れました。
しかし、
ボールは絶望の淵……コート外へと弾かれました。
その時、誰もが思ったでしょう━━
(あぁ、終わったな。)
━━と。
しかし!
私は違いました!
負けるわけにはいかないのです!
私は飛込みました。
コート外へと落下していくボールに……
(間に合えぇぇ!!)
私の右手。迫る地面。
三十センチ。二十センチ。十センチ。
━━どんな人でも、人生に一度はスポットライトを浴びる日がくるんだ━━
最後まで諦めない!