異世界転生不採用通知、届きました。

藤間誠、27歳。ブラック企業で心を擦り減らし、死んだ。
だが、彼に訪れたのは『異世界転生』ではなかった。

目覚めたのは、白く無機質な部屋。そして告げられる審査結果。

「異世界転生の審査を行った結果、誠様は『物語性不足』により不採用となりました」

転生に『落ちた』人間たちが集められる、世界の断片と失敗作が集まるバグだらけの領域――『スクラップワールド』

文明も倫理も、魔法の法則さえも破綻したこの世界で、誠は同じく不採用組の仲間たちと出会う。

夢を捨てきれない元アイドル候補・ミサト。
現実を拒絶し続けた厨二高校生・マコト。
そして、謎のバグ生命体・シェルター。

「転生できなかった俺たちに、未来なんてあるのか？」
そんな問いに対し、誠は一つの決意をする。

「物語に選ばれなくても、俺は俺の物語を生きる――」

やがて浮上する、『再スカウト』という希望。
それは、スクラップ世界を脱出する唯一の道だった。

だがその前に立ちはだかるのは、異世界からの勇者、そして物語の秩序を守る管理者たち。

この世界に選ばれなかった敗者たちが、もう一度、自分の人生を物語に変える戦いが今、始まる。