1話 寇に兵を藉し盗に糧を齎す 前編
もしもアニメ化した時に、主人公の声優さんは伊藤彩紗さんに演じてほしいと思い、書きました。
ギャグ小説です。
ここは現代の地球に似ている星。ここに住む人々の文明は進んでいた。超高層ビルが建っているし、航空機やインターネットなど、人類が世界中に活動できるほど科学が発達している。
だけど、現代の地球とは異なる点が存在している。例えば、「冒険者」というファンタジー世界でしかない職業が存在していたり、"獣人"などの人間以外の異種族が普通に暮らしてたりしている。
そこで日本に似ている国――「ジャポニカ」――の首都――「トシン」――では、冒険者の聖地と呼ばれるほど冒険者に志願する人が多く集まっている。
そこで冒険者と義賊、そして自身の冒険者や義賊の活動を二次創作として描く漫画家として活動している銀髪のセミロングで猫耳があり、青い目、服装は軽装で、肩から腰までの長さの黒いマントを身に着けている19歳の女性――テトックがトシンに多く建ってあるビルの路地裏から駆けていた。そして、山の麓へ立ち止まると、彼女はスマホの電源を起動し、撮った写真を見た。
その内容は行方不明となっている10歳の少女――フェリスを見つけてほしいという彼女の両親からの依頼の張り紙がついさっき張られていたのでその写真を撮って、フォルダに保存していた。少女は街外れの山奥にある使われていない屋敷へ姿を消したという最後の目撃情報があるからどうやら、彼女は屋敷にいるらしい。ちなみに彼女の両親は、海外にフェリスと旅行するつもりだったが、フェリスがいなくなっていることに気づき、すぐに飛行機から降りようとしたが、離陸してしまい、航空機の中から冒険者ギルドへ依頼をしたのだ。
「ま、人助けするのは好きだし、漫画のネタになるから受けないという選択はないよね。……よし!探しに行こう!」
彼女は護身用の2本の短剣を腰についてる鞘にちゃんとしまってあるか確認すると、山の奥の方へ駆けて行った。
テトックが少し走ると少女の姿が消えたという例の古ぼけた怪しげな屋敷へ辿り着いた。テトックが慎重に周りに罠がないか調べる。
「ふむふむ……争いが起きた形跡はなし……となると、屋敷の中に入っていったのかな?」
このまま外を調べても収穫はないと悟ったテトックは、玄関ドアの前に立つ。
そして、テトックは2本の針金を用意して、ドアのピッキングをした。これは彼女が義賊の時に身につけた技術だ。最初は針金が折れたりしたが、現在は簡単な形状の鍵なら開けられるようになったのだ。
ちなみに、ジャポニカの法律では、自分の鍵ではないのにドアのピッキングをするのは犯罪だが、今回のように誘拐や監禁など犯罪にかかわっていると思われる行為から被害者を救うためにピッキングをするのなら正当行為となっている。
そして、鍵が開いたドアの音をたてないように慎重に開けて、少女を探した。薄暗い廊下を歩いていると、そこには……
「ッ!見つけた……!」
テトックは屋敷のリビングで行方不明となっている茶髪のショート、服装はTシャツというラフな格好をしている少女――フェリスが水を飲んでいる姿を見つけ、無事だったことに安堵した。しかし……テトックはある疑問を感じた。
(あれ?でも、何でフェリスちゃんは慌ててないんだろう?)
テトックは、フェリスが誘拐されているのなら恐怖を感じているはずだし、迷子ならこんな山奥の屋敷には行かないはず……と疑問に思っていた。
(うーん……まぁ、フェリスちゃんが無事だったことが分かったし、後はフェリスちゃんと一緒に冒険者ギルドへ送っていけばミッションコンプリートだね!)
そして、テトックはフェリスの元へ向かった。
「フェリスちゃん、ご両親が心配しているから帰ろう?」
「ッ!だ、誰……!?」
フェリスはテトックの顔が部屋の光の影で見えないので、警戒していた。
「安心して、私は味方だよ。ご両親がフェリスちゃんを見つけてくださいと頼まれたんだ。だから、帰ろう?」
「だからって、信用できま……」
フェリスが拒絶しようとした時、テトックの顔が完全にフェリスの視界に映ると、彼女の視線はテトックの頭の方へ向いていた。そして……
「まぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!??!!?!?!??!!?%&/\:\[^p^]/!"#$"&!(#?!#」
「えええ!?何で奇声をあげてんの!?」
フェリスが言葉の意味が分からない程、奇声をあげているのを見てテトックはただただ立ち尽くしていた、その時!
「ほう……?どうやら招かれざる客人が来たようだ。」
「ッ!誰!?」
テトックは上から聞こえてきた男の声へ警戒を強めた。そして、男はゆっくりと2階からの階段を下りながら、拍手をしてテトックに目を向けた。
男の姿は人間で、黒髪のロング、そして全身は真っ黒のスーツを着ており、胸元には赤いバラを刺してあった。男は階段から降りると言った。
「……こんな夜分に何の用かね?困っているのなら力を貸すが………?それとも私が住んでいると知っての狼藉かね?」
「早速お出ましか!私の名はテトック!フェリスちゃんをお前から守る義賊だ!」
そして、テトックは腰から2本の短剣を抜き、男に向けた。そして、男は……
「ごめんなさい。」
……男はテトックに土下座して謝罪したのだ。激しい闘いが始まると思ったテトックはこの光景に思わず大声をあげた。
「え……?えええええええ!?!!!?」
「ごめんなさい。許してください。私はただのウジ虫です。足でもなんでも舐めますので、この子は見逃してください。」
「さっき名乗った威勢が台無しに!!?というか、そんな酷いことしないよ!?」
男はどこから持ち出したのか、「敗北」という文字が書かれた紙を両手であげながら、白旗を振り、命乞いをしていた。しかも男の頭にはハチマキが巻かれていて、巻いているハチマキには、「私は雑魚です」という文字が書かれていた。
最初に出会った時と比べて、思わず立ち尽くしたテトック。何とか動き出してテトックは男に質問した。
「あの……本当にフェリスちゃんの面倒を見てくれてるのですか?執事さん?」
「……仮に私が執事だとしたら、君は依頼主の家族に手をかけようとした犯罪者と認識されるがいいのか!?」
「う……ご、ごめんなさい。」
「構わないさ……私の名はレイズ。レイズ=ラーザントという。確かに私はゲームの序盤のボスで勇者パーティーにやられて死ぬような恰好をしているのだが……」
「自虐が凄くない!?そ、それで……?」
「……この格好には理由があるのだ。」
「それは……?」
テトックの猫耳がピクッと動き、テトックは真剣に聞いている。……そして、レイズの口は開いた。
「……他人に舐められないように振舞ったら、気づけばこのような格好と口調になり、不審者扱いされるようになったのだ……」
「十中八九、言動と恰好のせいだよね!?」
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