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あっけない討伐

 ブルーエドッグ屋のコントのようなやり取りは無視され、リリィはサオリの質問に対して回答をした。


 「リチャくんはね、リリィが養っているの!彼はリリィがいないとダメなんだからねー」


 「え、それって、、、」


 ここでまたしても、ハエ型ロボットから音声がきこえてきた。サオリは次につづくことばを飲み込んだ。


 「(騙されて貢いでいるだけなんじゃないの)」


 「リリィ殿。そういうわけで、やるしかないでごわすよ。リチャ殿の期待に応えて、ギガイガン、さらには魔王を討伐し、華々しくクジュシンに戻ってくるでごわす!さて、あと1時間もしないうちに、ギガイガンが目覚めてしまうでごわす。ご決断を!」


 「(ゴゴゴゴゴゴゴ)」


 丘の方面から更に巨大な地鳴りが響いたかとおもうと、それは次第に足音へと代わり、徐々にこちらに近づいてくるのを感じた。プ二プニがその方向へ向かい走り出した。


 「あかん、もう来るで、こうなったら2人ででも止めないと!」


 「リリィちゃん、私たちもいくわよ」


 「んー、わかった!リチャくんのためじゃないけど、この街のためにいくよー!!!がんばらないと!!!」


 4人は、元々の小高い丘へ向かい、そのために通過の必要な森へと差し掛かった。その間にも、徐々に地響きは大きくなったかとおもうと、さまざまな形状のスライムが街の方面へと逃げていくようだった。芋虫のようなスライム、クワガタのようなスライム、ただのスライムなど、こんなに多様性があったのかとサオリは気づきをえた。共通するのは、恐怖に帯びた表情を浮かべており、彼女たちを倒そうなぞと言う気概は微塵も感じられない点なのである。


 多様性のある半透明のモンスターが見えなくなると、地響きが収まる、嵐の前のような静かさがサオリ一向をおおっていった。森林の中の一本道に彼女たちは佇んでいる。


 「リリィちゃん、どうしたのこれ」


 「んー、たぶんギガイガンしんじゃったかも。ウケるー。ブルーエの養分になるんだよ!」


 「ええ、どういうことよ。だって、なにもしてないじゃないの。伝説の勇者としての見せ場を発揮するんじゃなかったの」


 プニプニの2人が残念そうにしながら不思議がっていたが、ある噂をおもいだした。それはかつて、勇者と魔王軍との対決において、敗北が濃厚となった折、一人のモンスターテイマーがギガイガンの口腔内へ小型の卵を発射したらしい。そして数年後に、魔力をすいつくす寄生虫型の魔物がギガイガンを討ち滅ぼすと。それが本当かどうかはあくまで噂にすぎないのだが。


 そしてスライムたちはまた何気ない表情をうかべ、丘の方面へ戻っていった。

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