カジュヒロくん
「(ゴゴゴゴゴゴゴゴ)」
「ねぇリリィちゃん、これって、さっき私たちがおりたった小高い丘が震源地なんじゃないの?」
「そだねー、ギガイガンはサイキョーだからー!勝てるかわかんにゃーい!ワラ。たぶん、ブルーエドッグおじちゃんの声かんけいないよー、また来るからね!お弟子くんも、修業がんばるんだよ!!」
プニプニの2人はしばしのあいだブルーエドッグをほうばり、それぞれご満悦のようだった。そして食事タイムが終わると、途端に表情が険しくなり、お互いに見つめ合っていた。なんとなくリリィは、前世にて、RPGゲームの最高傑作と評価されているあのゲームのような展開になるのではないかという気がしてきた。プニカが口を開いた。
「ねぇねぇ。リリィちゃん!勇者に戻る気ないー!?というか、それしか勝てる方法ないで!」
「ホーもそう思うで!人間の姿でもう少しいたかったけど、ここがそのタイミングやで!」
まさかの展開の気がとてもしてきた。おそるおそる、サオリが質問を繰り出した。
「どういうことなの?人間の姿って?あなたたちは変化をしているモンスターなのかしら」
リリィがなにかいいたげなような、迷っているような雰囲気で、サオリをみつめ、そうこうしているうちにまた、鬱々とした表情になり、体育座りをはじめてしまった。
そのタイミングにて、隙を見つけたり言わんばかりに、髪の毛の中から羽音が聞こえ出し、超小型のハエ型ロボットがとびしてきた。皆の予想通り、リリィの正面下側に着陸した。
プニカとプニホはハエを睨みつけていたが、突然、青くて透明の拡声器のようなものが現れ、大声が聞こえてきた。
「もしもーし、きこえますかー?もしもーし!こちらカジュヒロでごわす」
「きこえてるよーカジュくん。そんな大きな声ださなくても
「リリィ殿。それは良かったでごわす。此度の冒険を見届けてきたワッシでございヤスが、もう少しで最大の脅威つまりは破壊神ギガイガンが現れるでごわす。おそらくは、何の対策もなければ、この街ごと破壊されてしまうでごわす。リリィ殿も、ギガイガンの手にかかれば、クジュシンに戻る事すらできず、この世界から消滅してしまう可能性すらあるでごわす。それほどの、圧倒的な存在なのでごわすよ。アイツは!しかしながら幸い、プニプニの2人がいるし、おまけにサオリ殿、あなたは蘇生魔法が使えるようになったときいているでごわす。リリィ殿!憂鬱な気持ちになるかもしれないでごわすが、伝説の勇者になって欲しいと今、アッシの隣で一部始終を眺めているリチャ殿も懇願しているでごわす」
どうにも太っていてお風呂に入っていなさそうな声の主から、またしても新たな登場人物の名前が出たと同時に、突然、リリィの目がキラリと輝きを取り戻したのであった。
「え?リチャくん?!!!」
「リリィちゃん、誰なのリタくんて?」
「(ゴゴゴゴゴゴゴ)」
またしても地響きが起こり、その場にいた者たちは思わず体勢を崩しそうになってしまった。
「バカヤローオメェ!そんなんじゃ独立できねえぞ!体感が弱えんだよ!鍛えろよ!!」
どうやらブルーエドッグ屋の弟子はこけてしまったようだった。




