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魔法少女の前職

 「ギガイガン?リリィちゃん知っているの?」


 「んー、まだ生きていたんだー。魔王の次に強いモンスターだよー。リリィたちが最初のパーティでね、やっつけた筈なのだけど!あ、もしかしてさっきのスライムもギガイガンのツバを浴びたのかもー」


 「え、それって、危機的なことじゃないの?魔王の次って、その魔王にはリリィちゃんさっき、手も足も出なかったじゃない!それに唾液を浴びるとスライムにされてしまうってわけ?」


 などと話しながら、プニプニの方を眺めると、2人は同じようにウルウルした目でこちら側をみつめていた。それは明らかに、ギガイガンの討伐を請う目であり、そんな大役を仰せつかった。


 「プニプニちゃん、私たち2人で、勝機はあるとおもうの」


 「2人じゃなくて4人だよ!プニカとプニホもいるからね!」


 「でもずっと隠れてたんでしょう?」


 サオリの質問は至極真っ当であり、どうにも古代の恐竜系が跋扈している現在のハッピー・イー県において、このエリアの守護者たるプニプニは、鳴りを潜めるよりやりようが無いように見えた。おまけにラスボス一歩手前の強力なボスがいるときている。


 「へへへ、そこでね、勇者くんたちが来るのをまっていたんやで!」


 「勇者って、どこにいるのよ。ここにいるのは魔法少女と、それに、単なる女性よ」


 実態はこども部屋おばさんであるが、もう異世界転生したのだし、魅力的な女性であるということを楽しもうとサオリは考えそう発言した。それはともかくこの物語でまだ勇者は一度も登場していないわけだがどういうわけだろうかと疑問だった。


 「えー、もしかしてサオリさん、一緒にいたのに気づいていなかったんか?!!!」


 「どういうことよ」


 不思議そうな顔をし、リリィの方を見つめると、めずらしく惚けたような顔をして遠くをみつめていた。


 「彼女、いまは勇者から転職して伝説の魔法少女リリィちゃんを名乗っているけどな!元々は勇者だったんだよ!!!というか、また復職しなよ!勇者リリィちゃん!!!!ねえ!!!!!」


 プニホからの爆弾発言に、飄々とした態度のリリィちゃんがみるみるうちに憂鬱な表情をし出し、その場で体育座りをし、俯いてしまった。プニカがプニホを睨みつけた。


 「ちょっと、ホー、なにいってるん?リリィちゃんは前のパーティーで大敗した全責任を負わされて、勇者を引退したんやで!しっとるやろ!?まだ精神的な傷がいえてないのに、余計なこといわんといて!」


 「え、プー、だって、守護者が。。。」


 意味不明な発言をプニホがしつつ、押し黙ってしまった。そしてリリィは体育座りをしたまま俯き、なにかブツブツと呟きつづけていた。とにかくプニカは相棒のことをホーとよび、プニホはプーとよんでいるらしいことしか分からなかった。それと、リリィの前職のことである。


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