リバイブ
「ガシャーン!!!」
真っ暗な空間でありながら、コインランドリー程度の空間に守られている感覚のあったサオリとリリィであったが、警告音のあと、大きな音がし、突如として空間内は揺れだした。サオリはコケて、横に倒れてしまった。文字通りの横転である。思い出せば、最初にこのスカイワールドに転生し青色のスライムに襲われた際もこのような情けない姿だった気がする。
一方でリリィは、やや宙に浮きながら、冷静に状況を注視していた。
「サオリちゃんもう少しがんばって、そろそろ到着するから。ポッピンホテルじゃないけど!」
「そうね、これくらいで苦労していたら、あのデスガイガンを倒すことは叶わないものね」
しばらくすると揺れはおさまり、サオリは再び立ち上がった。静寂の時間が続くや否や、自動音声が流れ出した。
「ポッピンホテルへの転移失敗に伴い、ハッピー・イー県のブルーエに到着いたしました。ここから戻る方法は、現在の私の知能では導き出せません。予めご了承ください」
「ブルーエか〜、魔王くんわざと、ここに飛ばしたね〜〜」
「リリィちゃん、どういうこと?」
「降りれば分かるとおもう!タケアキっちが、喜びそうな場所だよ!というかあの二人は何をしているのかな」
真っ暗闇な状態から周囲が明るくなると、そこは小高い丘の上だった。辺りは草原のような緑で生い茂っており、真っ青な青空だ。とても気分がいい。サオリが最初に到達した場所にどこなく似ている。
「ここは。。」
「待って!モンスターがくる!!」
3匹の、青くて丸い、子犬程度のサイズである、例の初心者向けモンスター、スライムと呼ばれる魔物が近づいてきた。
「ピギャぁぁ!!!」
ここでサオリは、最初の段階でノックアウトしたトラウマが蘇ってきた。だいたいあの頃と比べ、フィジカル的には何も変わっていないじゃあないか。また突進してきたら、倒れて、まさかのクジュシンからやり直しとなってしまうのではないのか。全体回復魔法を覚えたからといって、自分が倒れては意味がない。なんなんだこの人生は(もう一旦終了したけど)。
このとき臨戦態勢に入りつつも、リリィがサオリをじっと見つめていた。
「サオリちゃん、多分だけど、リバイブを使えるようになっているかもしれないの!生き返る姿を強くイメージしてみて!!」
「え?」
おいおい、リリィちゃんはなんて怖いことを言うのだ。一度、絶命せよというのか。でも一回絶命しているから、それはそれで有りなのかもしれない。心なしか、冒険を介して少し勇気がでてきた気がする。そして、やってみよう、という気持ちになってきた。
「いいえ、わかったわ」
サオリは飛びかかろうとするスライムの前に、静かに、自分が生き返る姿をイメージした。
その2秒後、真ん中のが突進してきて、案の定、昇天してしまった。
そしてその3秒後、サオリが目を覚ますとまだ小高い丘の上におり、平然といきていた。3体の初心者向けモンスターは、リリィによる火炎系魔法で焼き尽くされ、意識を失っていた。
「サオリちゃん、すごいよ」




