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大浴場つきのホテルに泊まろう

「ウフフフフ、申し遅れました。わたくしは、サウンザンドイヤー街にてポッピンホテルを経営している、ポピンと申します、魔王討伐組の皆様がアキパラパーへ旅立つにあたり英気を養っていただきたいと考え、最高のおもてなしを提供するのがわたくしの使命なのであると、そう確信しているのです。他にもいくつか宿屋はございますがね、ぜひともポッピンホテルをご利用いただければと、馬車が停まるこの場所にてお待ちしていたというわけでございます」


 タケアキがいぶかしげな目で彼のことをエルエスで覗き見しようとし、どうにも魔王軍の手先で無いことは確認できた。しかし、なにか違和感がある。なんだろうか。その違和感が悪意によるものなのかどうかはわからない。


「ポピンさんとおっしゃいましたね。一つおききしたいのですが、あなたのホテルには大浴場がついていますか?それに朝食は、バイキング形式が良いのですが。そして、バイキングにはブロッコリーとウインナーがあってほしいのです」


「ちょっと、タケアキくん、なにを意味不明なことをいっているのよ。泊まれればどこでもいいじゃないの。よっぽどサービスが悪くなければ」


「サオリはん、まちなはれ、これはなにか、意味ありげな質問やで~」


 ポピンはピクッと、なにかに反応したようであり、満面のスマイルでサオリ一向を見つめだした。


「ほうほう。そのキーワードをご存知とは、トミゾウさんの関係者ですね、あなた方は。彼は現在、クジュシンでさらなる研鑽を積んでいる最中と伺っておりますよ。いいでしょう。私の経営するポッピンホテルにご招待いたしましょう。といいましても、お部屋自体はそこまで広くも、ありませんがね」


 「ポピンさん、わかりました。それではあなたについていきますよ。歩いていけば、いいのですね」


 「いいえ、その必要はございません。皆様を、私がホテル前まで乗せていって差し上げます」


 「乗せるって、馬車も無いじゃないの。おんぶでもするってこと?4人を?」


 「ウフフフフ。しばしお待ちくださいませ。私の真の姿をおみせいたしましょう」


 なぞと意味深なセリフを伝えるとポピンの体がなんとなく肥大化していくように見える。いや、明らかに肥大化しているのだった。更に段々と、爬虫類のように変換を遂げていき、大きな羽根も生え始めた。さきほど討伐したランスキメラほどの大きさにまで膨れ上がり、ついにはベージュ色の生物に変化したのである。その姿は、正真正銘、ドラゴンなのであった。


 「おーおー、また戦闘開始かいな、でも殺気は感じないで、どういうことやねん」


 「あっ、ポピンくん、リリィあったことあるねー久しぶり」


 「どういうことなの?リリィちゃん」


 「サオリさん、つまりはですね」


 と、タケアキが解説しかけたところで、そのドラゴンが遮り、言葉を発した。声質はポピンのときの紳士的なものから随分と変わっており、図太いものへと変化していった。


 「ウフフフフ、皆様、私の背中にお乗り下さいませ。いまからポッピンホテルへご招待いたします。申し遅れましたが私、千年ドラゴンのポピンと申すものです。以後、お見知りおきを!リリィちゃんは、ご無沙汰ですね。お互いに魔王に立ち向かい、敗北後にパーティが解散して以降ですね」


 「そだね」

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