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進化

 3名がオロオロとしだしている中、リリィがブツブツと呪文を詠唱しだした。


 「んっ、んっ、ドファイヤー(スパパパパパパ!)」


 「え?」


 「リリィちゃん、それまで使えたのですか」


 「えげつないのう!」


 その場にいたすべてのヤリオトコの首が撥ねられ、倒れてしまった。砂漠のように見える辺り一帯は血まみれとなり。残されたのはサオリ一向と馬2体、そして、運転手、だけではなかった。絶命した馬車警察の載っていたオオトカゲが一体いた。


 「あ、運転手さん、一回下がって!!」


 「は、はひ」


 オオトカゲがサオリ一向と下がった運転手を睨みつけると、大きく口をパカッと開けた。すると、みるみるうちにヤリオトコと馬車警察を吸い込んでしまった。その口をパンパンにしたかとおもうと、どんどん膨張していった。まるで優秀な掃除機のように、そこにいた誰もがみていて気持ちよくなってしまった。


 「参りましたよ。あれは進化型のオオトカゲ、キメラリザードです。取り込んだ人体やモンスターによっていかようにも進化するのです。なにを隠そう、私のオヂキメラも、元はキメラリザードなのです」


 「あ、あのオヂキメラの原型なのね」


 プシューっと音をたてて、蒸気に包まれたキメラリザードは姿が見えなくなってしまった。


 「進化中だねー。いまのうちに逃げようよーw」


 「サオリちゃんなにいってるの、デッカイドの人たちが危ないじゃないの」


 「冗談だよ!でもねリリィ、さっきの動けなくなっちゃったの。だから、次の子は3人でがんばって倒して。タケアキくんのオヂキメラとどちらの進化後が強いか勝負だねー」


 「それは、リリィちゃんの具合を考慮せず申し訳ございません。あれだけの大魔法を使うとなると、流石のリリィちゃんも魔力切れを起こしますよね。しかしながら実をいうと私、いまとても興奮しています。オークボパークに閉じ込めてきたオヂキメラが、どんな活躍をするか、うずうずしているのです!オヂキメラ、でなさい!!」


 などと妙にタケアキの語気が強まり、オヂキメラを召喚したと同じタイミングで、モクモクとした蒸気が薄まってきた。体長15メートルにはなろうかという、原型はさきほど馬車警察を載せていたキメラリザードを思い起こさせるシルエットが浮かび上がり、時間が立つ毎に全貌が明らかになってきた。皮膚の色は漆黒よりの灰色であり、羽根は生えていなかった。サオリとドンズは、ともに、転生前に住んでいた国でポピュラーだった怪獣映画をおもだしたが、どうやら2足歩行ではなく4足歩行のようである。そして特徴的なのは、ヤリオトコの槍をイメージしたかのような、一方の立派なツノが頭部に生えていた。ツノの長さは3メートルほどあり、それだけでたいていのモンスターを一撃で屠り去ることができそうだった。いわんや人間ともなれば。その立派なツノのクリーチャーは、まるで周囲に響き渡るかのような咆哮をあげた。


 「キィィィィィ!!!!!!」


 鳴き声は予想に反して図太くは無く、ソプラノの響きだった。


 「チギュアァァァァ!!!!!」


 オヂキメラも威嚇を開始し飛び上がった。サオリ一向と馬車警察は後ろに下がった。その光景は迫力があり、またしもサオリとドンズは、怪獣同士がぶつかりあう生前の映画をイメージした。それと同時にふと、実家によく遊びにきていた甥の未来くんがよく、怪獣のソフビを使って遊んでいたのを思い出してしまった。

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