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死の視姦者

 「・・・ガタンゴトン、ガタンゴトン」


 列車はたびたび揺れながら、順調へサツホロへ向かっているようだった。ワッキャナイ・サウス駅からサツホロ駅の移動までもまた、5時間はかかる。中間地点は過ぎ、残り2時間というところだった。


 「しかしのう、こう移動時間が長いと、くたびれてしまうのう。モンスターも出ないようじゃし。むしろ出た方が、ええんじゃないか?」


 「やめてくださいよ~、トミゾウさん。はっきり言えばね、魔王に会うまで、一度もエンカウントしないのが理想的なんですよ。低レベルクリアっていうのですが。大体トミゾウさんはもう、全ての能力が上限を迎えているいるのですよ」


 「それ本当なの?タケアキくん、モンスターに会ったほうが目が輝いているじゃない」


 「あ~ウソつきだ~」


 「なんか嫌な予感するなぁ。フラグじゃないよな~」


 「え~ご乗車中のお客様にお知らせです。大変申し訳ございませんが急停車いたします。手すりに強くお捕まりください」


 「ほらぁ~~なんだか嫌な予感がしたんですよ。も~~」


 車両内が大きく揺れ、急停車した。


 「イッテェー!!!」


 ジャムゥが前の座席に頭をぶつけて痛がっていた。ドンズが珍しくボソッと言葉を発し(おそらく「大丈夫か?」と発していたように聞こえた)、頭をさすってあげていた。


 車掌からのアナウンスが聞こえた。


 「え~。ただいま、線路内にお客様、いえ訂正します。不審者の立ち入りを確認しましたので、急停車いたしております。ただいま線路内に不審者の立ち入りを確認しましたので、急停車いたしております。なお、有識者の意見によりますと、魔王軍の可能性が非常に高いとのことで、討伐組の方がいらっしゃれば、討伐をお願いいたします。報酬として、記念のバッヂを進呈いたします」


 「いらネェヨ~~!!!」


 ジャムゥがそのように叫んだが、ドンズと共に外へ飛び出し先頭車両側へ向かっていった。


 「うむぅ。こんな森の中で出るとはのう。タケアキくん。魔王軍の誰とみるかね」


 「死の視姦者じゃないですかねぇ。通称デスウォッチャー。あいつは対象をジッとみることしか知られておらず、対処法がわからんのですよ。それにしても武力派二人組でなんとかなるのか、いささか不安ですねえ。絡め手がもっとも」


 「助けにいってあげようよー。たぶん二人とも死んじゃうよ!!」


 「トミ爺、いきましょうよ。たぶん搦手がもっとも得意なタイプと見えるわ。あと一撃必殺の技を持っているタイプで、蘇生系の魔法が使えないと詰むわよ」


 「フォッフォッフォッ。サオてゃんや、素晴らしい考察じゃのう。いくぞい」


 こうして4名も外に飛び出し、先頭車両側へ向かっていくと、マントをすっぽりと被さり、更にはフードを頭に被せたガリガリにやせ細った男がジャムゥとドンズをジッと睨みつけていた。ジャムウは斧を持ち、ドンズは槍を握りながら攻撃に出れないようであった。


 「グヘヘヘ、不気味なやろうだぜ。あのマントの中になにか隠しているに違いないぜぇ~」


 「それは、そうだろうな」


 痩せ細った男は、サオリご一行の到着に気が付き、口を開いた。


 「ホホホホホ、6対1とは、卑怯ですねえ。我々魔王軍はたいてい少数で、勇者の軍勢にやっつけられる。複数いないと冒険に向かえないとは。勇気のある者、勇者と言えるのですかねぇ。という意地悪はここまでにしておきましょう。それにしてもそれだけの大所帯で、前の2人は向かってこれないのですが、勇気がないですねえ。ホホホホホ」


 「彼はデスウォッチャーですなぁ。あ、ジャムゥさん、いけませんよ挑発にのっては」


 「ナマいってんじゃねぞボケがぁ!!!」


 ジャムゥが斧を振りかざして突進し、そのままデスウォッチャーに直撃させた。マントは真っ二つに引き裂かれた。


 「グヘヘ。大したことないじゃネェか。それとも俺が強すぎたか?」


 「ふむぅ。いかんのう。これはいかん。リリィちゃんの出番がここで来てしまうかぁ?」

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