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ビーストテイマー

 案の定、煙の中からオヂキメラの姿を視認できた。いやいやいや、オヂキメラ、あれでまだ生きているのか。ちょっと強すぎないか?トミゾウも流石に息が上がっているようだった。


 「フォッフォッフォッ!強いのう」


 そのとき、天上からパーク全体に、気合の抜けるような声が響き渡った。


 「はい、トミゾウさんとサオリさん、戦いをやめてくださいね~。合格です~。オヂキメ、ハウス!キューブの中に戻りなさい!お疲れ様」


 サオリはちょっと意味がわからなかった。オヂキメラは粒子状に変化し、その粒子は遠くに移動し消えてしまった。なにかに吸い込まれたようだった。スピーカーを切り忘れたと思しきタケアキの声が聴こえて来た。


 「おお~本当に戻った!これはいけるかもしれないなぁ、冗談抜きでぇ~~」


 「終わったようじゃのう。小屋に戻るぞ」


 ドアを開くと、タケアキが満面の笑みで待ち構えていた。


 「おめでとうございます!改めまして、私、ビーストテイマーのサイトー・タケアキと申します。暴れん坊のオヂキメラを手なづけてくれてありがとうございます。オヂキメラはようやく、ビーストキューブの中に入ってくれました。これで手持ちが7体のモンスターとなります。それでは、魔王討伐の旅に、出かけましょう。といっても、あと2名、パーティに必要ですがね。それよりも今夜はクジュシンを楽しんで英気を養いましょう」


 サオリはポカーンとしていた。


 「え?どゆことなの?」


 「フォッフォッフォ。つまりのう、タケアキくんも、魔王討伐に必要なメンバーの1人なんじゃよ。彼はビーストテイマー、魔物を仲間にすることができるのじゃ。そしてオヂキメラは強力な魔物なのでのう、仲間にしたかったというわけじゃ。これにより、スカイ・ワールドの平和は近づいてきておるんじゃ。ワシはまぁ、オールラウンドな勇者というところじゃ。あとは、僧侶と魔法使いがほしいのう。ほかにもクラスはあるがのう。まぁ、旅をする最中にみつかるじゃろう」


 「とにかく、マスカラフトから、海外への通行許可証を発行します。研修も兼ねて、私の後任であるトモヤンくんから受け取ってください」


 身長が高めの、飄々とした若者が小屋の中でスタンバイしており、我々は小屋に入り、トモヤンなる人物から3枚の通行許可証を受け取った。茶色の手帳サイズになにかそれらしき文字が書いてあったが解読不能だった。


 「それでは、いくとするかのう、魔王の住む、死の街アキパラパーへ!」


 「アキパラパー?はどうやっていけば」


 サオリは質問をした。


 「それはのう、このマスカラフトを南下し、デッカイドという大陸に上陸する必要があるんじゃ、さらにそこを経由し、シューホンという大陸内に、"終わった都市"が存在しておる。その"終わった都市"がアキパラパーなんじゃ。死の街と呼ばれておる。距離にすると、1700キロ程じゃないかのう」


 「どうやっていくのよ」


 「それは、徒歩じゃ」


 このスカイワールドに、自動車や飛行機は存在しないらしかった。いくらなんでも遠すぎるだろう。まじか。などと考えているとタケアキが口を開いた。


 「トミゾウさん!だから今夜は、クジュシンで療養ですよ!だってあなた!!」


 「わかっておる、それはわかっておるよ」

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