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強襲する人型ロボット

 隼人は操られた警備兵やロボットを相手に戦い続けていた。

 左手のエネルギーブレードが光を放ち、次々と迫る敵を無力化していくが、敵の数は一向に減らない。


――「警告:敵勢力の増加を確認。戦闘持続時間が限界に接近しています」――


「くそ……もう持たないかもな……!」


 隼人が限界を感じ始めたその時、背後の脱出口から響く力強い声が場内に響き渡った。


「半数は民の避難を支援せよ!残りは我と共に警備兵の無力化を行う!突撃!」


 声の主は若きレオンハルト王子だった。

 鋭い眼差しで戦場を見渡すと、剣を構え、従える兵士たちを率いて戦場へと飛び込む。

 その後ろには、避難する民を誘導するための衛兵たちも続いていた。


「王座の間の皆、落ち着け!民を優先的に避難させよ!」


 王子の号令を受け、案内役の衛兵が即座に応じて避難を進める。

 その間、王子自身は兵士たちを率いて隼人の元へと駆けつけた。


「そなたが民を守るために戦っているのだな!状況は把握している。援護する!」


「助かる!奴らの数が多すぎて手が回らない!」


 王子は即座に隼人の言葉を受け入れ、兵士たちに指示を飛ばす。


「操られた者たちを致命傷を避けて無力化せよ!民の盾となれ!」


 王子の剣は鋭く輝き、的確に敵をいなしていく。

 その動きは無駄がなく、兵士たちもその指揮の下で迅速に操られた警備兵を抑え込んでいく。


 二人は背中合わせになりながら、次々と襲いかかる敵に応戦した。

 隼人のエネルギーブレードと王子の剣が煌めき、敵の波を少しずつ押し返していく。


 その頃、脱出口より脱出中の衛兵やノア、リーシャが避難する民の誘導に尽力していた。


「皆様ついてきてください!」


 衛兵の声に応じて、民たちは慌ただしく脱出口へ向かう。

 リーシャは民の最後尾を見守りながら、時折戦場の方を振り返る。


「ハヤト、大丈夫かな……?」


 ノアもまた、不安げに隼人の無事を祈っていたが、手を止めることなく民の安全確保に尽くしていた。


 戦場は混乱の極みに達していたが、レオンハルト王子の指揮の下で状況は少しずつ安定し始めていた。

 それでも、敵の数が減らないことに隼人は焦りを覚える。


――「警告:新たな敵勢力を確認」――


「まだ来るのか……!」


 激戦の最中、隼人は新たな警告をシステムから受け取った。


――「警告:高速接近物体を確認。識別コード不明。高危険度推定」――


 隼人がシステムの警告に気を取られたその瞬間、空気を裂くような轟音が響いた。


「危ない!」


 衛兵の叫び声が聞こえた直後、ジェットパックを背負った人型ロボットがものすごい勢いで隼人に突進してきた。

 鋭い動きで周囲の混乱をかいくぐり、隼人だけを目指して一直線に突っ込んでくる。


 そのロボットは異様な様相を呈していた。

 銀色の装甲は鈍い光を反射し、体中からケーブルが引きずられている。

 ケーブルは所々断裂して火花を散らし、まるで今しがた無理やり機関から引きずり出されてきたような荒々しい状態だった。


 隼人は回避しようとしたが、ロボットの速度がそれを許さない。

 ジェットパックの推力によって加速した衝撃が隼人を直撃した。


「うっ……!」


 隼人はその勢いに抗えず、背後の壁に叩きつけられる形となった。

 壁が鈍い音を立ててひび割れ、隼人の体に圧力がかかる。


――「警告:圧力上昇中。ダメージの蓄積に注意」――


「こいつ……!」


 隼人は反撃しようとするが、人型ロボットの力は凄まじかった。

 ロボットの両腕が鋼鉄の爪のように変形し、隼人の肩を押さえ込む。

 その目は血のように赤く輝き、まるで隼人をロックオンしているかのようだった。


 ジェットパックが低い唸りを上げながら更なる推力を発揮し、隼人の体を壁に押しつけ続ける。

 隼人は逃げようと試みるが、押し寄せる圧力がそれを阻む。


「くそ……!」


 隼人の視界に警告表示が増えていく。


――「対象の出力が限界を超過。注意が必要です」――


 ロボットの攻撃は容赦がなく、隼人を完全に押さえ込もうとしていた。

 その動きは無駄がなく、まるで隼人を排除することだけを目的としてプログラムされているかのようだった。


――「このままでは持たない……!」


 隼人の頭の中に警告と焦りが交錯する。

 だが、彼の目は諦めを知らず、なんとか反撃の機会を伺っていた。


 隼人の全身にかかる圧力が限界を迎えつつある中、システムの冷静な声が響き渡った。


――「提案:背後の壁を破壊し、脱出ルートを確保。バックパックユニットを利用して空中へ離脱」――


「……壁を壊して飛ぶだと?」


 隼人は瞬時に周囲の状況を把握し直した。

 背後の壁は確かに厚いが、現在の状況で逃げるにはそれが最善の手段だと直感する。


「やるしかないな……!」


 隼人の左腕が光を帯び、エネルギーブレードが展開された。

 その刃が壁に向けて振り下ろされ、周波数を調整したエネルギーが壁を削り始める。

 続けてバックパックが高出力モードに切り替わり、隼人の背後でエンジン音が鳴り響いた。


――「出力最大。離脱準備完了」――


「行くぞ!」


 隼人はバックパックの推力を全開にし、一気に勢いをつけて壁を突き破った。

 粉塵が舞い上がり、破壊された壁の破片が四方に飛び散る中、隼人の体は空中へと飛び出した。


 人型ロボットもすぐにジェットパックを噴射し、隼人を追撃してきた。

 その動きは迅速かつ正確で、まるで隼人の行動を完全に予測しているかのようだった。


 隼人は上空で体勢を整えると、即座に反撃態勢に移った。


「いいだろう……やってやる!」


 エネルギーブレードを構え、追撃してきたロボットに向けて突進する。

 空中での戦闘が始まった。


 隼人が振るうエネルギーブレードが、ロボットの装甲をかすめる。

 しかし、ロボットの装甲は異常に硬く、刃は完全に通らない。


――「警告:対象の装甲は高耐久性を有しています」――


「こいつ、硬すぎる……!」


 ロボットは隼人の攻撃を受け流すように動きながら、鋭いカウンターを繰り出してくる。

 その爪が空を切り裂き、隼人に迫る。


 隼人はギリギリのタイミングで回避し、すれ違いざまに再度攻撃を仕掛けた。

 しかし、ロボットは素早く回避し、攻撃を受け付けない。


「やるじゃないか……!」


 隼人はバックパックを駆使し、急上昇や急旋回で相手を翻弄する。

 一方でロボットもまた、ジェットパックの機動力を活かして追尾し続ける。

 空中での戦いは激しさを増し、二人の動きに伴って轟音が響き渡った。


――「提案:右腕武装を展開し、射撃戦に移行」――


「ライフルか……わかった!」


 隼人は即座に右腕を変形させ、ライフルモードを展開した。

 ライフルが展開されると同時に、システムが目標をロックオンする。


――「目標捕捉完了。ジェットパック部を狙撃推奨」――


「そこか……!」


 隼人は急降下しながら、ロボットのジェットパックに狙いを定め、引き金を引いた。

 閃光とともに弾が発射される。

 ロボットは鋭い動きで回避を試みたが、弾道はわずかにそれをかすめ、ジェットパックの外装にヒビを入れた。


「よし、効いてる!」


 ロボットは一瞬よろめいたが、すぐに体勢を立て直し、隼人に向けて高速で突進してきた。

 隼人は素早く回避し、さらにライフルを構えて追撃する。


 空中での戦闘は熾烈を極めた。

 ジェットパックの推進音が響き渡り、閃光が空を切り裂く中、隼人と人型ロボットの激闘は続く。

 隼人はエネルギーブレードとライフルを巧みに使い分けながら、敵のジェットパックを完全に破壊する好機を狙っていた。


 人型ロボットとの戦闘が激化する中、隼人のシステムが冷静な音声で提案を送る。


――「提案:光学迷彩を展開し、視認を遮断。敵目標の索敵能力を混乱させ、攻撃機会を確保」――


「光学迷彩か……よし、それでやる!」


 次の瞬間、隼人の姿が空中から完全に消えた。

 光学迷彩の稼働により、周囲に隼人の影すら映らなくなる。


 ロボットは目の前の隼人が突然消えたことに動揺するような挙動を見せた。

 目標を失ったように頭部が左右に素早く動き、次の攻撃対象を探している。


「いいぞ、その隙だ……!」


 隼人は迷彩を維持しながらロボットの背後に回り込むと、再びエネルギーブレードを展開した。

 その刃が青白い輝きを放ち、ロボットのジェットパックにできたヒビの位置を正確に捉える。


「これで終わりだ……!」


 隼人はエネルギーブレードを振り下ろした。

 刃がヒビの入った箇所に直撃すると、ジェットパックは鈍い音を立てて完全に崩壊した。

 推進力を失ったロボットが揺れ動き、空中で体勢を崩していく。


「やった!」


 隼人が次の攻撃を仕掛けようと構えたその瞬間、ロボットが異常な動きを見せた。

 体中から無数のケーブルが蠢くように現れ、その先端がまるで生き物のように隼人に向かって飛びかかってきた。


「なっ、なんだこいつ!?」


 ケーブルは隼人の両腕、両脚、そしてバックパックに絡みつき、逃れる隙を与えない。

 そのままロボットは自分ごと隼人を空中で締め付けながら急速に落下を始めた。


――「警告:高度急速低下中」――


 隼人はバックパックを振動させ、ケーブルを振り払おうと試みるが、ロボットの拘束力は異常に強力だった。


「このままじゃ地面に叩きつけられる!」


 ロボットの目は赤く輝き、まるで冷徹に隼人を破壊しようとする意志を宿しているかのようだった。

 隼人は次々と打開策を頭に浮かべながら、迫りくる地面とロボットの執念に立ち向かおうとしていた。

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