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光と闇の交戦

------------------------------

 【警告レベル: 高】

 マスターユニットへの危険を検出


 【解析】

 危険因子の識別を開始、接近する対象を「不明」と分類しました。


 【対応指示】

 全システム、緊急対応モードに移行します。


 【処理開始】

 マスターユニット支援用の人型機動兵器を起動します。


 【ステータス】

 起動シーケンス進行中…

 ---

 シーケンス50%完了…

 シーケンス75%完了…

 シーケンス100%完了。


 【起動完了】

 マスターユニット支援用人型機動兵器、待機状態に移行。


 【目標設定】

 マスターユニット周辺領域の脅威の排除を最優先。

------------------------------


 闇の存在がノアに執拗に攻撃を続ける中、緊張の糸が張り詰めた洞窟内に異変が起きた。


 突如として、洞窟の奥にある研究所の重厚な扉が音を立てて開いた。

 冷たい風が扉の隙間から吹き込み、一瞬、全員の視線がそちらに向かう。

 隼人、ノア、リーシャ、エディ、フィオナ、そして闇の存在までもが、扉の奥から現れる異形の姿に目を奪われた。


 扉から現れたのは、人の姿をしながらも背中には大きく広がる羽が生えた、まるで天使を思わせる存在。

 その姿は光の粒子を噴き出すように輝き、粒子は淡い光を放ちながら周囲に舞い散り、洞窟内の不穏な気配を一瞬にして掻き消すかのように広がっていた。


 隼人たちはその異形の姿に圧倒され、全員が言葉を失ってその場に立ち尽くした。


 天使のような存在は洞窟内を静かに見回し、隼人たちを確認するように視線を移す。

 闇の存在もその光に圧され、一歩後退して目を凝らしている。


 その時、光の存在がゆっくりと口を開いた。


「……目標補足完了。マスターユニットの位置を確認……」


 その言葉はどこか機械的でありながら、洞窟内に深く反響するように響いた。

 隼人たちは驚愕し、互いに視線を交わした。


 天使のような存在の眼差しは、まるで隼人たちの中に何かを探し出すかのように鋭く光り、周囲の空気が再び張り詰める。


 天使のような存在は、マスターユニットを守るべく、鋭い眼差しで闇の存在を見据え、拳を構えた。

 闇の存在がノアに再び狙いを定めた瞬間、天使のような存在が動く。

 素早く距離を詰め、一気に拳を突き出した。


「……!」


 その拳が闇の存在に直撃すると、まるで打ち込まれた部分だけが一瞬揺らぐように闇が震え、黒い霧のようなものがその場に散った。

 拳が触れた部分に、明らかに反応がある。

 闇の存在はその攻撃に耐えるように後退し、ノアへの執拗な視線を、天使のような存在へと向ける。


 隼人たちはその光景に驚きを隠せない。

 闇に一切の攻撃が効かなかった中で、天使のような存在の打撃だけは何かしらの影響を与えているのだ。


「効いてるの……?」


 リーシャが息をのむように呟く。


 天使のような存在は再び拳を振り上げ、次の攻撃を畳み掛けた。

 拳が闇に当たるたびに、闇が少しずつ揺らぎ、薄れた影がその場に舞い散る。

 しかし、闇の存在もすぐに体勢を立て直し、反撃の触手を繰り出す。


 天使のような存在が拳を振るい、次々と闇を打ち据えるたび、闇は少しずつ薄れていくものの、完全に消え去るわけではない。

 逆に、闇の存在は更なる怒りを宿したかのように勢いを増し、天使のような存在を引き裂くように鋭い攻撃を繰り出してきた。


 天使の存在はその全てをかわしきれず、ついに闇の一撃が脇腹に命中する。

 光の粒子が舞い上がり、わずかに後退したが、天使の存在は怯むことなく闇に向かって再び拳を振り上げた。


 突然、闇の存在が一瞬後退し、周囲の空気がピリついた。

 その不穏な気配に、隼人たちも身構える。


「……何か来るぞ!」


 エディが警告する間もなく、闇の存在は姿をぼやかし、無数の影の触手を生み出し始めた。

 まるで洞窟の壁や床から這い上がるように、触手が天使の存在を取り囲む。


「これは……!」


 フィオナが驚愕の声を上げる。

 無数の触手が絡みつくように天使のような存在へと一斉に襲いかかる。


 天使のような存在は、触手の襲撃をかわしながらも、かろうじてその中を突き進む。

 素早い動きで闇の影を突き崩そうとするが、触手の数があまりにも多く、次第に動きが鈍っていった。


 闇の存在はその隙を見逃さず、鋭い一撃を天使の胸元に打ち込む。

 強烈な衝撃が天使のような存在を襲い、光の粒子が四散した。


 隼人たちはその光景に息を呑むが、天使のような存在は依然として闘志を失わず、拳を握り締めて闇に向かう。


「……マスターユニットへの脅威の排除を……優先する……」


 力強い言葉と共に再び立ち上がった天使のような存在は、執拗に絡みつく闇の触手を一つ一つ打ち払いつつ、闇の中心へと向かって突き進んだ。

 だが、闇の存在も次々と新たな触手を生み出し、天使のような存在を取り囲んで執拗に攻撃を仕掛ける。

 その黒い影が洞窟内を蠢くたび、冷たい空気が隼人たちにまで伝わってきた。


「これ以上進ませない……!」


 天使のような存在が低く呟き、素早く拳を突き出す。

 その拳は一撃ごとに闇の影を揺らし、確実に触れるごとに影の一部を散らしていく。

 しかし、闇の存在もすぐに新たな影を生み出し、攻撃が次々と再生されているかのようだった。


 隼人はその様子を見つめながら、内心で焦りを感じていた。


「あの光の存在ですら……完全には倒せないのか……」


 天使のような存在が拳で触手を弾くたび、光の粒子が舞い散り、攻撃の度にわずかにその輝きが薄れているように感じた。

 闇の存在も天使のような存在に応じて執拗に反撃を続け、攻防が続く中で双方の力が徐々に消耗している様子が隼人にも伝わってくる。


 突然、闇の存在が大きく体を揺らし、無数の小さな影の塊を洞窟の壁や床に向けて放出した。

 影の塊は、洞窟全体に張り巡らされたように広がり、まるで天使のような存在を封じ込めるかのように包囲し始める。


 天使のような存在はそれに気づき、すぐに一撃を繰り出して影の壁を崩そうとする。

 しかし、闇の存在の分身のような小さな影は次々と現れて、拳が触れるたびに消えるものの、再び別の場所で姿を現す。


「なんて数なの……!」


 リーシャが小声で呟く。

 天使のような存在も明らかに攻撃が追い付かず、全ての影を払い除けるのは難しい様子だった。


 天使のような存在の周囲を取り囲む闇がますます濃くなり、光の粒子がゆっくりと薄れていく。

 だが、それでも天使のような存在はその拳を休めることなく、闇の触手や影の塊に立ち向かい続けていた。


 闇の存在の執拗な攻撃が続き、天使のような存在は次第に押し込まれていた。

 影の触手が次々と襲いかかり、幾度もその輝きを揺らがせる。

 しかし、その目は冷静さを失わず、まるである決断を下したかのように一瞬瞳を閉じると、周囲に微かな波動が広がった。


------------------------------


 【支援要請発信】

 支援用人型機動兵器より緊急支援要請を送信中。


 【要請内容】

 武器供給要請:「高出力射撃武器の提供」

 対象:脅威排除用支援武器


------------------------------


 天使のような存在は研究所へ打開策として「高出力射撃武器の提供」を要請する。

 

------------------------------


 【支援要請受信】

 支援用人型機動兵器より緊急支援要請を受信しました。


 【要請確認】

 支援内容:「高出力射撃武器の提供」


 【要請受諾】

 支援要請を受諾。武器「セラフィム・ボウ」を研究所から射出準備。


 【処理開始】

 射出ポートを開放、「セラフィム・ボウ」の射出プロセス開始。


 【射出完了】

 「セラフィム・ボウ」、指定ポイントに向けて射出中。

 

------------------------------


 天使のような存在が心の中で支援を求める瞬間、遠くの研究所からの反応が返ってくる。

 まるで応答があったことを感じ取ったかのように、彼は静かに片手を空にかざした。


 天使のような存在が闇に押し込まれていたその時、洞窟の上空から神聖な光が降り注ぎ、「セラフィム・ボウ」が輝きを放ちながら射出された。

 淡い青白い光の弓が空中を滑るようにして天使の存在の手元に収まると、隼人たちはその神々しい光景に息を呑んだ。


 天使のような存在は、弓を持つと静かに目を閉じ、一瞬の集中を経て、目を開けた。

 そして、ゆっくりと弓を引き絞ると、光の矢が弓の中に生成され、その輝きが洞窟内を照らし出した。


「……マスターユニットを脅かす影を、消去する……」


 その言葉と共に、天使のような存在が一気に弓を引き絞り、放たれた光の矢は空気を裂くように一直線に飛んでいく。

 矢はまるで閃光のように洞窟内を駆け抜け、闇の存在の中心に突き刺さった。


 その瞬間、轟音と共に激しい閃光が闇の存在を包み込み、黒い霧が弾け飛ぶように散らばった。

 闇の触手が震え、闇の塊が波打つように揺らぐ。

 まるで闇自体が引き裂かれるかのように、洞窟内に黒い影が立ち昇る。


 光の一撃が徐々に収まり、闇の存在が影のように揺らぎながらも完全には消えず、残された部分が再び形を成そうとしていたが、攻撃の衝撃で明らかに力が弱まっているようだった。


 隼人たちは、その一撃の威力を目の当たりにし、圧倒されながらも希望の兆しを感じ取った。



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