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大洞窟を探索

 大洞窟に足を踏み入れた隼人たちは、フィオナの魔法の光を頼りにゆっくりと奥へと進んでいった。

 空洞は思った以上に広大で、岩肌がむき出しの道が曲がりくねりながら続いている。


「思った以上に広いな……」


 エディが槍を握りしめながらつぶやいた。

 進むにつれて足音が反響し、不気味な静けさが周囲に広がっていた。


「ここまで深いとは……慎重に進んだほうがよさそうね」


 フィオナは目を凝らし、暗闇に潜む何かを警戒していた。


 その時、隼人がふと足を止めた。

 彼は何か異様な気配を感じ取ったのだ。

 まるで空気が変わったように、周囲の静寂が異様な重さを帯びていた。


「……何か、動いてる?」


 隼人は小さく呟き、辺りを見回した。


「今、何か聞こえた?」


 リーシャも神経を研ぎ澄ましながら声を落とす。

 周囲に漂う不気味な雰囲気がますます強まっていた。


「気をつけて……何かいるかもしれない」


 エディが前方に目を凝らし、槍を構えた。洞窟の奥から、微かな音が聞こえてくるようだった。

 何かがうごめくような、低い音が響いている。


「フィオナ、ライトの光をもう少し前に」


 エディが低く指示を出すと、フィオナが杖を持ち上げて光を前方に集中させた。

 しかし、その光が届く範囲は限られており、遠くの様子はまだ見えなかった。


「進もう……でも、気を緩めないで」


 エディは慎重に足を進めながら、チームを率いて洞窟の奥へと進んでいった。

 うごめく気配はますます強まり、何かが近づいているのを感じさせていた。


 隼人たちは大洞窟の中を進むうちに、奇妙な光景に気づいた。

 洞窟のあちこちに、人が通れるほどの大きさの穴が点在している。

 まるで何かがこの場所に引き寄せられているかのようだった。


「なんだ……この穴は?まるで、誰かが掘ったように綺麗だ」


 エディが槍で穴の縁を軽く突きながら、疑問の声を上げた。


「これ、ただの自然な穴じゃなさそうね。何かがこの辺りを通ってる……」


 フィオナが周囲の穴を慎重に見ながら警戒を強めた。


「気をつけて。何かが近づいている気がする……」


 リーシャが声を潜め、奥へと続く道を見つめた。

 洞窟全体に不気味な振動が伝わり、何かが近づいている感覚が強まっていた。


 その時、隼人たちの少し前方で突然、大きな音と共に地面が陥没したように見えた。

 目の前に新たな穴が開き、そこから巨大な土竜型のモンスターが姿を現した。


「来るぞ!」


 エディが素早く槍を構え、隼人たちに警告を発した。


 そのモンスターは「マグロス」と呼ばれる土竜型の巨大な生物だった。

 鋭い爪で地面を掘り進みながら、岩盤すらも軽々と破壊するその姿は恐ろしいものだった。


「マグロスか……厄介な相手ね!」


 フィオナが冷静に呟き、マグロスの姿を確認した。


「マグロス……?」


 隼人はその名前を聞いて眉をひそめた。

 目の前のモンスターがどれほどの危険を秘めているのか、まだ完全には理解していないが、その姿に強い警戒心を抱いた。


「フィオナ、魔法の準備を!」


 エディが叫び、マグロスに向かって突撃を開始した。

 目の前に現れたマグロスを前に、隼人、リーシャ、ノアたちも戦闘態勢に入った。

 隼人はカイエンから借りた剣を握りしめ、初めて使う武器に少し不安を感じつつも、前方の敵に集中した。


「行くぞ!」


 隼人は剣を構え、勢いよくマグロスに向かって突進した。

 慣れないながらも、懸命に剣を振るい、モンスターの鋭い爪に応戦しようとした。


だが、その瞬間、隼人のシステムが自動的に反応し、視界にシステムメッセージが表示された。


 ――「戦闘用システム起動」――

 ――「新規武装を検知。剣のデータを取得中……」――

 ――「武器の最適化完了」――

 ――「戦闘動作を最適化。攻撃を開始します」――


 隼人は剣を振るう感覚が突然変わったのを感じた。

 まるで、剣の動作が自動的に最適化され、自分の体が自然に動いているような感覚があった。

 剣を振るう一撃一撃が精確になり、マグロスの動きに即座に対応できるようになっていた。


「……なるほど、これなら!」


 隼人は勢いを増し、さらに鋭い一撃を放った。

 システムによる最適化で、剣の操作が格段にスムーズになっていた。


「ハヤト、すごい……!」


 ノアは隼人の変わった動きに驚きながら、彼に合わせて弓で援護を続けた。


 隼人とエディが並んで戦い、次々と現れるマグロスに応戦していた。

 マグロスの群れは洞窟の奥から次々と這い出し、激しい戦闘が繰り広げられていた。


「こっちだ!」


 隼人は剣を構え、素早い動きでマグロスの攻撃を避けながら、反撃の一撃を繰り出した。

 剣がマグロスの硬い鱗を貫き、血飛沫が舞う。


 その隣で、エディも槍を振り、マグロスを押し返していた。

 槍の一撃は鋭く、次々にマグロスの動きを封じ込めていく。


「ハヤト、やるじゃねぇか!」


 エディが隼人の戦いぶりを見て、にやりと笑いながら声をかけた。


「その剣、初めて使ってるんだろ?それにしちゃ、ずいぶんと手慣れてるじゃねぇか!」


「まぁ、なんとか慣れてきたよ」


 隼人は短く答えながらも、次のマグロスに備えて剣を構え直した。

 彼の動きはシステムの最適化によって滑らかで、敵の動きに即座に対応している。


 その後方では、フィオナが魔法で援護を続けていた。

 火系の魔法が彼女の杖から放たれ、洞窟内に炎の閃光が走る。


「リーシャ、ノア、援護をお願い!」


 フィオナが背後にいる二人に指示を飛ばしながら、次の魔法の詠唱を始めた。


「任せて!」


 リーシャは金槌を構えて、フィオナの横で守備を固める。

 ノアも弓を構え、フィオナに近づこうとするマグロスを的確に撃ち抜いていく。


「私たちが守るから、安心して魔法を使って!」


 ノアが少し緊張しながらもフィオナに声をかけた。

 その言葉にフィオナは短く頷き、再び火系の魔法を放つ。


 三人は協力しながら、少しずつ前進していく。

 隼人とエディが前線で道を切り開き、フィオナの魔法が後方支援を行いながら、チームは連携を保って確実に進んでいった。


 隼人たちは慎重に進みながら、洞窟の奥へとたどり着いた。

 そこは今までと違い、淡い光が周囲を照らしていた。

 奇妙な発光が洞窟内の壁から漏れ出し、空間に不思議な雰囲気を漂わせていた。


「……なんだ、この光は?」


 隼人は壁に目を向けた。

 その壁は、研究所のような現代的なデザインで構成されていた。

 まるで何かの技術施設のような光沢があり、神秘的な雰囲気を醸し出している。


「研究所……?」


 隼人は心の中でその言葉が浮かんだ。

 彼には何となくそれが過去の遺跡や古代のものではなく、まるで彼の知っている技術に近いものだと感じた。


 一方、エディやフィオナ、リーシャ、ノアたちはその光景に戸惑っていた。


「これ……見たことないわね。こんな壁がここにあったなんて」


 フィオナが疑問の表情を浮かべながら、杖を持ち上げて周囲を警戒していた。


「なんで壁が光ってるんだ?魔法か?」


 エディも槍を握りしめ、警戒しながら壁を睨んでいたが、その発光の正体は全く分からなかった。


 壁は淡い光を放ちながら、奥へと続いているように見えた。

 光は点滅し、まるで彼らを誘導しているかのようだった。


「この光、私たちを誘ってるように見える……」


 ノアが不安そうに呟いた。


「でも、進むしかないみたいだな」


 隼人は剣を握りしめながら、慎重に壁に近づいていった。

 その時、奥の方で何かが動いている気配を感じた。


「待て……奥で何かがいる。壁を攻撃してる?」


 隼人は奥を見つめ、周囲の空気がピリピリと緊張するのを感じた。

 光の先には、何かが動き回り、壁に激しく打撃を加えている音が響いている。

 

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