魔石の報酬
隼人はヴォルクハウンドを倒し終え、深く息をついた。
光学迷彩とバリアが無事に作動したことに安堵しつつ、次に目指すのはノアとリーシャが待っている平原だ。
「まずは森を出ないとな……」
周囲の状況を確認しながら、隼人は慎重に歩を進めた。
森の木々の間をすり抜け、しばらく進んだ後、ようやく木々が薄れて視界が開けた。
目の前に広がったのは広大な平原だった。
そこには待機していたノアとリーシャの姿が見えた。
隼人が姿を現すと、二人は安堵の表情を浮かべて駆け寄ってきた。
「隼人!無事だったんだね!」
ノアがほっとした声で言った。
「まさか本当に全部倒しちゃうなんて……すごいわ、隼人」
リーシャも感嘆の声を漏らした。
隼人は二人に向かって軽く頷き、無事に戻ってきたことを伝えた。
「ああ、なんとか全て倒せたよ。光学迷彩とバリアが大きな役割を果たしてくれた」
隼人は二人に向かって軽く頷き、無事に戻ってきたことを伝えた。
「ああ、なんとか全て倒せたよ。透明化とバリアが大きな役割を果たしてくれた」
ノアは驚きとともに隼人を見つめて言う。
「そんなこともできるんだ……すごい力を手に入れたね」
リーシャもその力に関心を示し微笑んだ。
「それにしても、前に見たバリアの力も合わせると、本当に無敵みたいね」
「まだ力をうまく使いこなせてるわけじゃないけど、これでなんとか対応できたな」
隼人はそう言いながらも、二人の無事を確認できて安心していた。
「ひとまずこの平原での調査はそろそろ終わりにして、街に戻ろう。これ以上無駄に危険を冒すわけにはいかないしな」
ノアとリーシャも同意し、三人は森を後にすることを決めた。
静かに森の出口に向かって歩き始めた。
「それにしても、隼人がどんどん強くなっていくのを見てると、なんだか心強いよね」
ノアが冗談めかして言うと、隼人は笑って返した。
「まあ、こういう時はその力を最大限に活かすしかないからな」
隼人はノアとリーシャに無事を伝え、森の中で倒したヴォルクハウンドのことを思い出した。
「そうだ、魔石を回収しないと」
ノアとリーシャもその言葉に頷き、隼人と共に倒した魔石を回収することにした。
光学迷彩の力とバリアを駆使して倒したヴォルクハウンドたちは、今も静かに横たわっているはずだ。
「倒したヴォルクハウンドの数はかなり多かったから、魔石も期待できるわね」
リーシャがそう言いながら、足を進めた。
「そうだな。魔石がしっかり残っていれば、討伐の証明にもなるし、報酬も期待できる」
隼人も同意し、進んでいく。
やがて三人は倒したヴォルクハウンドたちのもとへたどり着いた。
ヴォルクハウンドたちは静かに横たわっており、隼人たちは一匹ずつ魔石を探し始めた。
「ここにあったぞ」
隼人が言いながら、ヴォルクハウンドの体から魔石を取り出した。
「透明化してたヴォルクハウンドと比べてやっぱり普通の魔石ね。まあ、これで討伐証明には十分かな」
リーシャは淡々とした様子で魔石を見つめた。
「まぁ、とにかくギルドに持ち帰って鑑定してもらおう。普通の魔石でも討伐証拠にはなるしな」
隼人がそう言い、三人は回収した魔石を大事に持ち帰る準備を進めた。
魔石の回収を終えた後、三人は再び森を抜け、街へと向かった。
「これで一段落だな……街に戻ってゆっくり休もう」
隼人はそう言いながら、街の方向へと歩き出す。
「確かに、今日はいろいろあったし、休息が必要ね」
リーシャも同意する。
ノアは笑顔で言った。
「また何か美味しいものでも食べようよ」
三人は笑いながら街への道を進んでいった。
隼人たちは森での任務を終え、冒険者ギルドに戻ってきた。
ギルドの建物に入ると、少し疲れた様子の三人は受付に向かう。
受付嬢は三人の姿を見て、微笑みながら対応に入った。
「お疲れ様です。街道の調査はいかがでしたか?」
隼人はカバンの中から討伐証明となる魔石を取り出し、受付嬢に手渡した。
「街道に出没するヴォルクハウンドの討伐は完了しました。これがその証明です」
受付嬢は丁寧に魔石を受け取り、それを確認した後、にこやかに頷いた。
「確かに、ヴォルクハウンドの魔石ですね。ありがとうございます。報酬はすぐに準備いたします」
受付嬢は魔石を確認し、報酬の手続きを進めている間、隼人はそっとノアとリーシャに目を向けた。
二人もそれに気づき、目で合図を送った。
透明化するヴォルクハウンドの話は、ここではしないと事前に口裏を合わせていた。
受付嬢が書類を整理しながら聞いてきた。
「何か問題があったんですか?」
隼人は平然とした表情で答えた。
「いや、特に問題はなかったです。普通のヴォルクハウンドでした」
ノアも隣で頷いている。
「大変な任務だったでしょうが、無事に戻ってきて何よりです。それでは、こちらが報酬になります」
受付嬢は袋に入った報酬を三人に手渡した。
中には予想以上の金額が入っており、三人は少し驚きつつも受け取った。
「ありがとうございます」
隼人は感謝の言葉を口にしながら、報酬を受け取った。
ノアとリーシャと目を合わせた。
「これで一段落ついたな。透明化の話は、もう少し様子を見てからにしよう」
リーシャは小さく頷いた。
「うん、今はそれがいいかもね」
「よし、それじゃあ今日はこのまま解散して、また明日動こう」
隼人の提案に、三人はギルドを後にした。
▼ - 魔石の報酬
隼人たちは森でのヴォルクハウンド討伐から日常へと戻っていた。
特に目立った問題もなく、日々の依頼をこなしたり、休息を取りながら過ごしていた。
「領主とギルドマスターの話し合いが終わるまで、しばらくは休憩だな」
隼人はそう言いながら、ノアとリーシャと共にいつものギルドの食堂で過ごしていた。
「でも、話し合いって長いのね。もう数日経つけど、何も連絡がないなんて」
リーシャが少し不満げであるが、ノアが答えた。
「まあ、大きな報酬が絡むと時間がかかるものだよ」
そうして数日が過ぎ、ようやくその時が訪れた。
ギルドの受付嬢が隼人たちのテーブルにやってきた。
「ハヤトさん、ノアさん、リーシャさん、ギルドマスターがお呼びです。領主との話し合いが無事に終わり、報酬の準備が整いましたので、どうぞギルドマスターの部屋にお越しください」
隼人たちはその知らせを受け、すぐにギルドマスターの部屋へ向かった。
重厚な扉が開かれ、ギルドマスターが待っていた。
「よく来てくれたな。ようやく魔石についての話がまとまった。領主との交渉は無事に終わり、君たちに相応しい報酬を用意した」
ギルドマスターは微笑みながら三人を迎え入れ、隼人たちは椅子に腰掛けた。
机の上にはしっかりと準備された報酬の袋が並んでいる。
「魔石は非常に興味深いものだった。領主も今回の件を非常に高く評価している。そのため、君たちに支払う報酬も特別なものにさせてもらった」
ギルドマスターは、机の上の袋を1つずつ隼人たちに手渡した。
「これが今回の報酬だ。魔石の価値を反映した特別な補償金が含まれている」
隼人は袋を受け取り、中を確認した。
予想以上の金額が入っていることに気づき、驚きの表情を浮かべた。
「……これは思った以上だな」
隼人は驚きながらも納得して頷いた。
「これでしばらくは困らなそうだね」とノアが軽く笑いながら言う。
リーシャも報酬の重さを感じながら、「本当に、これで少し安心できるね」と笑顔を見せた。
「君たちの働きには感謝している。また何かあれば、ぜひ協力をお願いしたい」
ギルドマスターがそう言った後、少し真剣な表情になり続けた。
「実は今回の魔石回収の件で領主が君たちに会いたいと言っている。魔石の件について詳しく話を聞きたいらしい。もちろん、無理にというわけではないが、これは非常に稀な機会だ。どうだろうか?」
隼人たちは顔を見合わせた。
領主に会うことは滅多にない経験だろうが、それだけ彼らの行動が大きな影響を与えた証でもある。
「領主が……私たちに?」
ノアが驚いた表情で口を開く。
「珍しいことね……どうする、隼人?」
リーシャが隼人に視線を向ける。
隼人は少し考えた後、頷いた。
「そうだな。これもいい機会だ。領主と話してみる価値はあるかもしれない」
「よし、そうと決まれば準備しておいてくれ。領主との面会は近々だ」
ギルドマスターはそう言って話を締めくくり、隼人たちは領主との面会に向けて心の準備を整えることになった。




