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はぁい、2人とも目線こっちー。




「ねね、これ乗りたい!あとこれも!どの順で回る?」

「それ乗りたかった!でも最初はやっぱこれじゃない?」


あーでもないこーでもないと、きゃっきゃとはしゃいでパンフレットを広げる茜と真紘。


「あれ並ぶのか…正気か…?」

「はぁ…混みますねぇ。平日に来てこれですかぁ」


人混み嫌いだが、茜と真紘が喜ぶならと来たものの、やはり人混みに嫌気がさしている翠と亜由美。


「ねーねー、あーちゃん、この耳つけてほしい!」

「あーずるい!アユミちゃんは絶対こっちのピンクのリボンバージョンがいいよ!」

「えーそれも可愛いけどさあ。こっちは?」

「オレンジも可愛いね!いやここはオーソドックスに…」

「見てみて帽子も可愛くない?」

「「どれがいい!?」」

「………」


何でもいいからそっちで勝手に決めてくれと遠い目になる亜由美。



「翠はこれね!私とお揃い」

「あー…俺もするのか」


と言いつつお揃いがまんざらでもない初来園の翠。


「ごめ…ちょっと待って酔った吐きそう…」

「え、え、ごめん、絶叫系ダメだって知らなくて…」


意外と絶叫系が全然ダメで気持ち悪くなる翠。


吐き気が少し落ち着いたタイミングで、心配する真紘と茜を亜由美が言いくるめて絶叫系の旅に送り出した。亜由美と翠は休憩スペースで飲み物と軽食を手に黙々とスマホでできる仕事を進める。


「…助かりました。楽しみにしてたみたいなので」

「イエ、アタシ人混み嫌いで空気悪くしそうだったので、かえってよかったですぅ。」

「…人混み嫌いでよく来ましたね」

「まぁくん、ずっと来たかったみたいで。アタシが行きたがらないのわかってて我慢してくれてたんですよねぇ。アカネちゃんが誘ってくれてよかったですし、まぁくんも思いっきりアトラクション乗れてよかったんじゃないですかねぇ」

「ああ…あの2人、疲れた顔したら気遣いそう…」


アトラクションの待ち時間やら食べた物やらが、逐一真紘と茜から写真が送られてきて、気分だけ味わう。十分だ。


「仕事、無理して空けたんじゃないですかぁ?」

「そっちこそ」

「アカネちゃんが行きたいって言うなら、無理してでも空けないとですもんねぇ?愛ですねぇ」

「…るせー。」

「耳、似合ってますよぉ。」

「外見に似合わずいい性格してんな」

「ありがとうございますぅ」


スマホに向かって顔も上げずにそんな会話をする。


「…茜、選んでもらった化粧品喜んでました。メイクも教えてもらったって。ありがとうございました。」

「よかったですぅ。可愛くなりましたよねぇ。愛されてる女って感じしますぅ」

「………」

「本人には半分も伝わってないみたいですけどぉ?」

「………。真紘にも鞭ばっかじゃなくたまには飴も与えてやれよ。ツンツンしてて可愛いとか言うの茜くらい。そのうち愛想尽かされんぞ。」

「…余計なお世話ですぅ」


似たもの同士である。



結局真紘と茜が帰ってくるまでの数時間、大した会話もなく、めっちゃ仕事進んだ。


「ただいまー!ありがとう、たくさん乗ってきた!」

「肉まんとチュロス買ってきたよー。」

「翠、体調どう?食べられそう?」

「うん、サンキュ」

「アユミちゃんありがとう!」

「はぁい」

「あのね、アユミちゃんと行きたいフォトスポットあるんだけど…」


戻ってきて早々、モジモジとそんなこと言い出す茜。


「かっ、かわいい!こっち見て!きゃーー!」


いろんなポーズをとってくれる亜由美を、きゃーきゃー言いながら撮りまくる茜。ニコニコ見守る真紘。無表情の翠。


「真紘も一緒に入って!あ、そういう感じ!真紘もうちょいくっついて!いい感じ!次はね」


たくさん撮ってカメラロールを開いてため息を吐く茜。

美女。そして美女と野獣。とてもよい。もう思い残すことはない。


「し、幸せ…」

「ハイ、次アカネちゃんの番ですよぉ。ほらスイくんもぼーっとしてないで!」

「え、っちょ!!」

「…はあ?」

「はぁい、2人とも目線こっちー。表情硬いぞッ!」


えへへと照れた表情の茜と、困惑しつつ茜が楽しそうで嬉しそうな翠。


いい仕事をしたなと、写真を見て満足な亜由美。


ゆったり乗れる乗り物に4人で乗り、夜のパレードを各々楽しみ、満足して帰るのであった。


めでたしめでたし。






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