表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
蹴撃の黒メイデン  作者: 雪銀かいと@「演/媛もたけなわ!」電子コミックサイトで商業連載中
第二章 憂鬱の祭〈Akina's distress〉

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

12/48

第二章-3

       3


 演舞は十五時に終わり、十九時からは祭の時のように多数の露店が出るということだった。帰り道で、蓮はアキナに誘われて参加を決め、二人は一度解散した。

「悲しいけれどしばしの別れだ。私には大事な準備があるんだよ」路上での別れ際、大げさな調子のアキナは妙に自信満々な笑顔だった。

 その後、二人は、きっかり十九時に円山公園の入り口で再会した。アキナは浴衣姿だった。

「予想通りの好反応だね! 良かった良かった。だいぶ苦労したけど、頑張って着たかいがあったってもんだね」

 幸せそうに呟くアキナは、見せびらかすように片足を軸にくるりと一回転してからウインクを決めた。絶句する蓮は、満足げに微笑むアキナの身体を眺める。

 アキナの浴衣は、白地に淡い桃色と紫色の大輪の花が描かれたものだった。一般的な紺色、白色を用いたものより鮮やかであり、優しげで健康的なアキナが身に纏うと、なんともあたりが華やぐのだった。

「そうかそうか、私はそんなに魅力的か。そうだろう、そうだろう。しかしだ。蓮くん。いつまでも見とれてる場合じゃないぞ! 今宵の宴は現在進行形でガンガン進んでるんだ! ぼけっとしてると乗り遅れちゃうぞー」

 芝居がかった調子のアキナは、左手で蓮の右手をぎゅっと握った。掌に伝わる柔らかで暖かい感触に蓮はどぎまぎするも、アキナに従いて早足で歩き始めた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ