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強化された肉体

「その魔法(?)にどんな効果があるのかきいてもいいか」


にゅうめんマンはたずねた。


「これは、肉体を強化し、耐久力や身体能力を高める魔法だ」

「なるほど」


緑色になる必然性は分からないが、有用な魔法だ。


「ゆくぞ。シャアーーッ!!」


田山田は野獣のごとく、にゅうめんマンに飛びかかった。


《うわっ。本当に動きが速くなってる!》


少し油断していたにゅうめんマンは、危うく攻撃をくらいそうになったが、危ういところでかわした。と思ったら、田山田が素早く次の攻撃を繰り出したので、ついに胴体にパンチをもらってしまった


「ぐっ」


割と痛い。


「ははは。さすがのお前も、肉体を強化した俺の攻撃はよけ切れなかったようだな!」


続けて、田山田は高速のパンチを連続で繰り出した。にゅうめんマンは何とかそれをしのいだが、受けてばかりではジリ貧だ。こちらからも攻撃しなければいけない。


「ていっ!」


にゅうめんマンは反撃のパンチを放ち、田山田の鼻面を殴りつけた。だが田山田は、相手をバカにするようにニヤニヤ笑っている。


「何だ今のパンチは。蚊でもとまったのかと思ったぞ」


手加減したとはいえ、まったくきいていないので、にゅうめんマンは驚いた。


「耐久力が高まっているというのは本当らしいな」

「うそをついても仕方がないだろう。まだまだゆくぞ!」


田山田は軽やかな身のこなしで飛び蹴りを放った。


「くっ」


にゅうめんマンはとっさに両腕を上げてブロックしたが、やはり割と痛い。


「やるじゃないか。次はこっちからいくぞ!」


にゅうめんマンは、かなり強めのボディーブローでやり返した。余裕しゃくしゃくの田山田はよける素振りすら見せなかったため、この攻撃は簡単に命中したが、先ほどと同じく、まったくきいていないようだった。


「きかんな。お前の攻撃と比べたら、マシュマロで殴られる方がまだ痛いわ」

「ほお……俺のボディーブローがマシュマロ以下とは、言ってくれるな」


田山田はにゅうめんマンを見くびり、相変わらず緑色の笑いを浮かべている。にゅうめんマンは言った。


「お前の実力をあなどっていたことを認めなければならない。もう少し真剣に戦うとしよう」

「へなちょこパンチしか打てないくせに強がりは見苦しいぞ」


にゅうめんマンは改めてファイティングポーズをとり、気合を入れ直した。そして、中段回し蹴りで、思い切り田山田を蹴飛ばした。


「でぇぇぇい!!」

「ぐふうっ!?」


にゅうめんマンの途轍とてつもないキックを受けて田山田は後ろに倒れた。ゾウをも倒す、にゅうめんマンの蹴りだ。普通の人間なら今の一撃で軽くあの世行きだっただろう。


「……今のキックの威力。お前本当に人間か」

「普通の人間が相手なら、お前に敵はいないだろう。だが、残念ながら俺は普通の人間ではないのだ。――さあ、茶番はこれくらいにして、ここらで勝負をつけようじゃないか」


にゅうめんマンは倒れている田山田に歩み寄った。


「何をする気だ!」

「お前みたいな頑丈なおっさんにも確実にダメージを与えられる攻撃さ」


にゅうめんマンは足を上にして田山田の体を背中から抱きかかえた。


「やめろ!」

「やめない!」


にゅうめんマンは敵を逆さにかかえたまま、できる限り高く飛び上がった。田山田の顔が恐怖に引きつる。


「必殺 フリーフォール・パイルドライバー!」


にゅうめんマンは、競技用自転車が走る競走路の硬い床に、田山田を頭からたたき落とした。


「ぐああぁぁぁ!!」


あわれ、魔法で耐久力を高めた田山田は、にゅうめんマンの力のごり押しによってあっけなくのされ、力なく地面に横たわった。テカテカの緑色になっていた体色も元どおりになり、通常のふんどし姿に戻った。

確定申告、家族の病院への付き添い、仕事などで忙しく、ここ1週間ほど特に更新が遅れていました。


今後も更新は不定期になりますが、完結はさせますので、気長にお付き合いください。


ただ、この話は短編の予定なので、近いうちに終わると思います。

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