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女生徒の霊と教師

作者: Mr.後困る

この話はフィクションであり。

作者は高校の担任の名前を憶えています。



―――――――――――――――――――――


高校の担任が亡くなったそうだ。

ハッキリ言って顔が思い出せない、 悪い先生では無かった筈だが

何故か全く顔が思い出せない、 二年の頃の担任だったからか

兎も角、 それなりに歳を取った先生だった。


まぁ教師は歳を取っているか。

偶々それを知っていた俺は担任の葬式に向かうのだった。


担任の葬儀には親類が多かった、 しかし生徒は殆ど来ていなかった。

もう教師をやめていたらしい、 同窓生も来ていないのか?


そんな事を思いながら俺は焼香を済ませて担任の顔を見た。

凄い老け込んでいた、 こんなに老けていたか? と首を傾げた。


「ん?」


何か違和感を感じたが、 俺は焼香を済ませて葬儀に参加して

精進落としを食べていた。


「よっ」

「ん? あぁ久しぶり」


久々に同級生に会った、 こいつは確か・・・オカルト研究会の部長をやっていたっけ?

先生に懐いていたが全力で怒られていたのを見た事がある。

この先生が怒る所を見た事が無いのだが・・・


「今は何してんの?」

「オカルト雑誌の編集長、 まぁしょぼい雑誌だけどね」

「相変わらずオカルトマニアか」

「良いでしょ」

「でもお前がここに来るとは意外だな、 先生に滅茶苦茶怒られたじゃないか」

「あぁ、 あれは仕方ない、 私が悪かった」


むしゃむしゃとサンドイッチを食べながら喋る。


「まぁあんな話されたらねぇ、 誰だって怒るよ」

「何やったんだよ」

「・・・・・まぁ単純な話だよ、 あの先生、 昔は結構な熱血教師でね」

「そうなの? 結構大人しいと思ったけども・・・」

「・・・・・ちょっと出ようか」

「ん? あぁ・・・」


外の喫煙所に一緒に出て来た。


「火、 有る?」

「俺、 タバコ吸わない」

「あ、 そう」


奴は煙草に火をつけた。


「ふぅー・・・兎も角先生は熱血教師だったんだよ

だけど行き過ぎてね・・・自殺者を出しちゃったのよ・・・」

「マジかよ・・・」


あの先生がそこまでやるとは信じられなかった。


「あの先生の顔、 思い出せる?」

「いや・・・思い出せない」

「あの先生、 何時も写真撮らなかったじゃない」

「・・・・・」


確かにあの先生の写真を見た事が無い。


「写真を取るとさ、 何時も写る(・・)んだよ

先生の後ろに女の子の霊が」

「・・・・・マジか・・・じゃああんなに老け込んだのもその子の霊?」

「違うよ、 アンタ2年生の頃のクラス同窓会に行った?」


話題の切り替えに面食らった。


「いや?」

「先生ね、 クラスの誰にも顔を覚えて貰って無いのよ

写真を撮ると何時も心霊写真になる、 それが嫌で何時も撮って無かったからね

だから写真に残らず、 誰からも記憶されない

ずっとそれが続くのよ? 老け込む筈だよ」

「・・・・・そんな人生、 送ってれば誰だって鬱になるな・・・」

「ホラーと言うには少しパンチ不足かな?」

「いや・・・誰からも記憶されない人生

そんな人生を送るとなると背筋が凍るよ」

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