表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
死神が僕にくれた幸福な運命  作者: 風乃あむり
39/104

9

 ✳︎


 結局リレーは惨敗し、総合順位でも僕たちのクラスは全五クラス中の第三位で。

 喜べばいいのか、悔しがればいいのか分からない中途半端な結末を迎えてしまった。


「まぁビリじゃなかったからいっか!」


 と、本山はケラケラ笑ってた。あんなに熱くなって応援してたのに、本当に切り替えがはやい。


 優勝したのは涼乃のチームで、多分それには彼女の活躍も貢献してるんだけど(彼女は目玉競技の選抜リレーにも出場してた)、本人は喜びあうクラスメイトを横目に冷めた顔で表彰式を迎えていた。


 僕はといえば、もう疲れちゃって疲れちゃって、勝ち負けなんてどうでもよかった。はやく表彰式終わんないかな。


 六月初旬とはいえ、グラウンドは強い陽射しに照りつけられている。こんなとこで走ったり、声を張って指示したり、応援したり。そんなことを何時間も。なにもかも慣れないことばっかりの一日だった。


 帰宅部とはいえ体力はつけているつもりなんだけど……うわ、なんか気持ち悪くなってきた……。


 視界が、虫に食われるように暗転していく。


 あ。これ、やばいかも。


 しんどくて、とても立っていられなくて。

 僕はその場にうずくまった。


 周りの生徒が気づいて騒ぎ出し、先生たちが駆けつける。もうろうとする意識の中、僕は担架に乗せられた。表彰式が中断し、生徒の列を裂いて僕はゆらゆらと運ばれていく。


 あぁヤダなぁ、また目立っちゃった……。


 吐き気をこらえながらも、僕はそんなことを悔やんでいた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ