遥か昔 流派が生まれし時
「ひたすら逃げに徹してたら勝てねぇぞ?」
「分かってるわよ!」
「かと言ってむやみやたらと攻撃しても意味は無し」
「そうね!」
「真の達人相手にビギナーズラックなんて通用しないからな、武術の世界では」
「貴方が修めてる流派が多すぎるのよ!」
「それらを総合してロストナイツ流を創ろうと思う。手伝え」
「え…私なんかでもいいの?」
「魔法分野はお前に任せた方が全体的なバランスがちょうど良くなるからな」
「うん!」
「隙あり」
「痛ったー!!今スベシって鳴ったよ?頭蓋骨折れたかもだよ?」
「そんくらい自分で治せるだろ」
「もう!こんなにかわいいお嫁さんに暴力振るうだけ振るってアフターケアも無いなんてサイテーだよ?」
「知るか。契約に乗っ取り結婚したんだよこっちは。機会があれば離婚してる」
「私の事キライ?」
「大っ嫌い」
「そっか……じゃあ」
「ただ、それと同じくらい愛してるぞ」
「ふぇ?」
「本気で嫌いなだけだったらこうして顔を合わせたりしないぞ。むしろ全力で殺しに掛かるから」
「ねぇ、子どもは」
「この呪われた血は消し去らないといけない。ただ、死ぬつもりもないから継承させない方向でやってるんだぞ。てかこの話前にもしたよな?」
「うっ……気が変わったかな?って…」
「妹のアレは例外だ。万が一僕ら二人が…そして妹まで消えた際、この国を運営させる為の人形に過ぎないさ」
「狂ってる…」
「でもこんな男に惚れたんだろ?」
「ズルい…子どもは諦めるから今夜は一緒に寝よ?」
「ワンナイト百万な」
「夫婦のスキンシップでお金取るの?」
「冗談だ」
「よかった…お金で愛を買ったなんて噂が立たなくてさ」
「君への愛が冷めたら君を殺すけどいいよね?」
「うん。愛する貴方に殺されるならそれも貴方の愛として受け入れるよ」




