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とあるボツ回その3

「もう少し早く連絡できなかったわけ!?」

「ごめん」


 やらかした。第一回イベントはことねに頼むって前から決めてたけど、実際に頼むのが前日になり、現在、僕はど叱られてます。


「あのねぇ、こっちはお姉様とのお茶会をドタキャンするはめになったんだから、それ相応の詫び品をちょうだい」

「キャッスルオブジャックで栽培されている高級茶葉でなんとかご容赦を」

「私はともかく、お姉様を納得させられる品を寄越しないよジャック」


 あきねが納得する品ねぇ。


「僕が作ったお茶会スィーツも付けます」

「お姉様のヘイトはなんとかしておくわ。それで?私このゲーム内で何をすればいいわけ?」

「イベントキャラとしてイベントエリアで自分の権能を生かしたミニゲームやクエストにスキルなんかを作って欲しい」

「要するにイベントエリアとして自分の世界を創れと?」

「そうなるね」

「なぜ最初が私なの?」

「フレンドリーで忙しくなく、序列が高いからだけど」


 なんとか納得してくれたみたいだ。


「VR機材どこ?」

「これ君のイベントエリア座標コード。直接行って創ってくれ」

「時の流れはどうなっているの?」

「君、光より速く動けるのに関係ある?」

「それもそうだね」

「あ、そうだ。最低限ミニゲームとクエストとポイントショップと君がボスのレイド戦の四つの要素は入れておいてね」

「ポイントショップの内容は?」

「ジークと相談しながらで頼む」

「ジーク?」

「このゲームの運営のために創ったAI」

「肉体は?」

「ゲーム世界にあるよ」

「ゲーム世界って……毎度とんでもないことやらかすわね」

「セッションは?」

「パッションマシマシで!って何やらせんのよ」

「相変わらずノリがいいね」

「のることかできなかったら私は私じゃないわよ」

「よ!ノリの神」

「あながち間違いでもないのよね」

「それじゃ行ってらっしゃい」

「行ってくるけど…ニアちゃんとはうまくやれてるの?」

「万が一、僕の人格が破綻したら、過去の僕が直してくれるよ」

「便利なモノで」


 ことねはそう呟くと転移していった。さて僕はゲームのクレーム処理でもしに行きますか。



「しゃ、社長!?どのような御用件でしょうか?」

「クレームの対応の手伝いだけど、何か問題でもある?」

「いえ…ですが、明日からイベントだというのにイベントの内容が定まって無いので困っています」

「それなら今しがた主役に頼んできたところだ」


 プルルプルル


「電話みたいだ。僕が出よう」

「ちょ、社長」

「もしもし、こちらセブンスコーポレーションFVO運営ルームです。御用件をどうぞ」

『なあ、ホントに科学の街なんて存在するのか?』

「科学の街ですか?存在しますよ。単純にフラグとなるボスが見つかって無いだけですね」

『なら証拠としてヒントを寄越せよ』

「機械いじりでもしたらいいんじゃないですかね」

『てめぇ、ナメ腐ってんのか』

「まさか、僕は開発者ご本人ですよ?掲示板で書きまくればGMAIが同情してヒントをくれるかもしれないので掲示板を利用してくださいね」

『そうか、じゃあよ』


 プープープー


「社長?」

「メールのクレームは、っと」


 こりゃ大量だ!


「グラン、サーバーに接続して処理して。ヒントはかする程度に留めておいてね」

『マスター、人使いが荒いですね』

「頼んだ」

「社長、グランとはどなたですか?」

「グランは僕のサポートAIだよ」


 グランは自慢の最高傑作さ。今、同じ性能のモノを作れと言われても無理としか言い様がないレベルで。


「しゃ~ちょ~きゅ~りょ~上げてくださいよ」

「それは人事に言ってくれよ。まあ、GMAI達と取引して稼ぐのも許可しよう」

「まさかGMAIにも給料だしてるの?」

「僕のポケットマネーからね」

「個人的にボーナスください」

「面白い企画の一つでも考えようか」

「社長すいません新人が」

「この程度別にいいよ。明日も学校あるしそろそろ帰らせてもらうよ」

「お疲れ様でした」


 さて、明日に備えてニアからアレに関する報告を聞いておこうか。

今回のは改変とかじゃなくて、マジのボツ回

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