ドールズ
「なあ、お前ら最近シオン様とグラン様見てないか?」
「そう言われると見てないね」
「グラン様はいつものことだとしてもシオン様までいないのは異常事態だな」
「ゴリアテ様に聞いてみる?」
「行くか」
「だな」
「ゴリアテ様ー」
「何の用?」
「シオン様とグラン様を最近見かけないから何か知ってかなーって」
「あの二人ならマスターが最近新しく創造した世界で仕事をやっているけど」
「ゴリアテ様は行かないのですか?」
「私まで出掛けてしまったら宝物庫の番人が居なくなるからね」
「変な所で真面目で頑固ですよね」
「私達がお留守番しますからたまには休んでくださいよ」
「シオンならまだしも、本来私とグランには感情や休息など不要のはずなんだかな」
「どういう意味ですか?」
「お前らは新入りか?」
「あ、はい」
「なら知らなくてもしょうがないか。この宝物庫の番人は三人いるが、一人だけマスターが創ったのではなく、拾ってきた元人間の少女が居てな。それがシオンなんだ」
「なんか重そうな話ですね」
「実際シオンの過去は少しだけ聞いた程度だが『重すぎてその話題には絶対に触れないようにしよう』って暗黙の了解が出来上がるほどだ」
「あ、そういえばゴリアテ様って戦えるんですか?」
「私か?言っておくが、ドールズ最強の人形は私だぞ」
「つまり、ゴリアテ様はシオン様とグラン様より強いんですね」
「いや、あの二人は厳密には『ドールズの指揮権を持ってはいるがドールズではない』というだけだ」
「え?」
「どういう意味ですか?」
「ドールズの所属定義だが、絶対の前提条件として人形種であることがあげられる。しかしあの二人は怨霊とバイクだ。人形のように振る舞う事ができはするけど、人形ではないが故にドールズではないって言われている」
「知りませんでした」
『伝令!スズ・ナーヴァ先王陛下からの要請でロストナイツ王国、夏木市に出現した異世界から来たテロリストの鎮圧を速やかに実行してください』
「確認だけど、私達ドールズがやっていいのね?」
『ええ。ちょうど警備隊の子達が出払ってる時をみて襲撃してきたみたいだからね。最後の守りである貴女達の出番よ、人形戦乙女』
「その名で呼ばれるのは久しいですね。ゲートの使用許可を私の権限で出します。全軍、出撃!」
「「「「「了解!!」」」」」
「私も母船として後から出撃しますが、その前にかたをつけられるといいですね」
ドールズとは…七色の人形使いを参考にして創った軍隊である(実話)
だからドールズ最強がゴリアテの名を授かっている