マリアと銀山の茶畑 地雷は何処にでも
『お姉様、今お時間よろしいですよね?』
『何ヴェラ?仕事してるの見えないの?』
『緊急の要件です』
『それで?』
『純銀を大量に必要としているとの噂がありますが、真実でしょうか?』
『それなら自分で解決したわよ』
『だ、そうです』
「あ、マジ?」
ということは、噂を信じた狂信者が暴走しているか、裏の目的が存在している可能性がありすね。
「私はどうしたらいいかな?」
『私の方から調査官(仮)に任命しておきます。後日、お母様から正式な捜査官としての書面を送っておきますね』
「仮の書面今貰えると現地人の信用できる人を捜査に付き合わせられるんだけどなぁ…」
『……お願いします』
「了解でーす」
お、目の前に書類の入った茶封筒だ!中身を確認して……よし!これでこの子と一緒に回れそうだね。通話の魔道具はもちろん書類を確認する前に返したよ。
「え…とおねーさん?」
「さ、一緒に回ろっか?」
「おねーさん?仕事は?」
「私の今の仕事はこの銀山の問題を解決することだからね。問題ないよ。さて、その連絡先は大切にしておくといいよ」
なんせこの国の王族の連絡先の一つなのだからね。まあ、こっちから掛けることはほぼ無いとは思うけどね。
「私、マリア。君は?」
「アリシア」
「了解。さて、銀山の調査隊の下へ行こうか…案内よろしく!ここはお姉さんの奢りにしておくからさ」
「分かり…ました…」
ありゃりゃ…これはちょっと困惑気味かな?もう少し詳しく説明しておくか。
「この国の女王様は純銀が欲しいなら自らの魔法で生み出せるお方なの。だから彼女が大量に欲しいといって国内外の銀山を掘り進める理由には全くならないんだよ」
「なるほど…大抵は自分の魔法で補えるから不要ですか……」
おや?何か考え込んでいるみたいだけど、もしかして…アレかな?
「アリシアは魔法使える?」
「使えませんね。三年ぐらい前に王都の方から鑑定士さんが来てくれて鑑定してくださったのですが、魔力こそ強いものの魔法の才能は皆無であると言われて……」
そっか…このアリシアちゃんに魔法の才能が無いのかぁ……これはも一つオマケに聞いておかないといけない事案だねぇ…
「その鑑定士の名前とか覚えてる?」
「デスサイズアローズと名乗るロストナイツ王国公認のA級鑑定士だそうです」
これ絶対に報告しないといけないやつじゃんか!
「ちょっとまた通話の魔道具借りるね」
「あ、はい」
『また、なんですか?』
「デスサイズアローズ。公認のA級鑑定士にそんな名前の奴いる?」
『何故?というか、国内の事を私に聞かないで欲しいのですが…』
『あ、マリア!さっきの事聞いたわよ。逆探知で場所も割れてるから私名義の委任状を送ったわ。それで今度はどんな報告なの?』
「魔闘流を得意とする素質を持つ少女が魔法の才能無しと断言されていたので」
なんかブチキレてるのかな?




