リンクルの悩み
地中深く、マントル近くの地下シェルターのリビングルームにて
「あ…ボス、職を失ってしまいました」
「は?」
「リンクル、私の事は捨ててもいいからマスターだけは養ってね?」
「私としてはラナには生きていて欲しいのだけれど」
「マスター……マスターが居ない世界に居る意味なんて無いです」
「はぁ…アタシって貧乏くじ引きやすい体質なのかね」
「別の世界でやり直す?」
「それもありだけど、魔力が問題ね」
「ああ…魔力ならヴァルハラの皆から徴収したらどうっすか?」
「あの娘達からは今はもう戦う時以外受け取りたく無いのよ。私のエゴで国が滅んだのだから」
「それは形式上の話だよね?」
「死して働かせたく無いのよ。愛でられるのが仕事なのに魔力の提供までさせたら自分を赦せなくなるわ」
「神を喰らって魔力量が増えたんじゃなかったすか?」
「ああ、それ?大半は施設の維持に費やしてるからあまり貴女達と出会った頃と変わってないわよ」
「マジっすか?」
「マスターは全盛期を過ぎた?」
「私はまだまだ成長していくわよ。だってまだ子供なんだもの」
「それは身長の話で実年齢はそんじょそこらの長命種の長老達を軽く超えてるっすよね?」
「マスターは私より年下。つまり幼女である」
「いや、まあ…そう、かもね」




