竜の巣
「竜魔くん、今日は一日お休みだよね?」
朝の目覚め、愛しの竜に声を掛ける。
「そうだよ、グレイシア」
「なら今日は一緒に居られるね」
「その~リザちゃんから頼まれごとしてるんだけど……」
「むぅ!私をおいてリザさんと浮気なの?」
今度リザさんに会ったら徹底的に教育してあげようかな?
「うっ…はぁ、君へのプレゼントを用意してもらう対価として頼まれごとをされたんだよ」
は、え?なんで…
「……おでこにキスなんてしても騙されないわよ」
「この前君が欲しがってた幻のお酒なんだけど?」
「え?」
「君の言葉を僕が聞き逃す訳ないよ。だから君がどんなに小さく呟いてもできる限り君の願いを叶えてあげたいんだ」
「覚えててくれたの?」
だって、竜魔くんが疲れている時に呟いた事だよ?
「師匠からは家族サービスは妥協するなって教えられてるからね」
「また、私以外の存在のこと考えてる…」
「ごめん…やっぱり仕事柄君の事だけを考え続けるのは無理だからさ」
「浮気なの?」
「ただ、いつも君の事を想い続けてるよ」
なんでだろ?顔がとても熱く感じるなぁ…
あはは、理由は分かりきってるのになぁ。
「竜魔くん愛してる。私のカッコいい旦那様」
「グレイシア、君だけを愛しているよ」
なんて甘美な囁きなんだろ…正面からハグされて耳元でこんなこと囁かれたら頭がトロけて動けなくなりそう。
「じゃま…したな。ごゆっくりどうぞ」
「リザさん?」
「いや、アタシはお二人に逆らえる気がしないんでアタシの事は居ないものとして扱ってもらえると、ね?」
え?まさか私の恥ずかしい顔を見られたの?
「あ、竜魔さん。これをどうぞ。私が持っていると殺されそうなので。あと、そこに頼まれれた酒や食材を置いといたんで。これから記憶消して来ます」
え、これって私の写真…しかもこの髪型は今の私…
「写真が有れば仕事中に記憶の中だけでなく視覚的にも君を想い続けられるよ」
「え?」
「やっぱりグレイシア、君はかわいいなぁ」
「りゅぅまくぅん、おねがい、はずかしくてしにそう」
「リザちゃん、グレイシアのこと頼めるかな?」
「いいっすけど、何のご予定で?」
「たまには手料理を振る舞ってあげようかなって思ってさ」
竜魔くんの手料理…手料理!?
「待って竜魔くん私を想うならそれだけは止めてね?」
「竜魔さん。アタシからもグレイシアさんを想うなら手料理は止めてください」
竜魔くんからのプレゼントならなんだって受け入れる積もりではいるけど、無自覚に殺されるのはちょっとなぁ…まあ私、不死身なんだけどね。
「え?なんでかな?」
「竜魔さん、ボスから料理禁止されてますよね?アタシ知ってるから。竜魔さんの手料理でバカみたいな生命力の塊である全盛期のボスが死にかけたって逸話」
「ん?全部食べて体力が半分になったぐらいで大袈裟な…」
本気のあの人と戦った事が有るからわかるけど、私ですら1%も削れ無かった体力が半分に減るのは私じゃあ受け止めきれないかなぁ…
ウマ娘楽しい(タキカフェは蜜の味)




