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ラーメン食べたい

「あー…ラーメン食べたい」

「それならスズお姉様。早く今日の仕事終わらせましょ」

「そーだね」


 私はスズ・ナーヴァ。隣で一緒に仕事をしているのがターニャ・ナーヴァ、義理の妹よ。うちの国の内政は基本この二人で行っているから仕事の量がとにかく異常なのよ。それ故癒しを求めるのだけど……あの人に飛び付いて攻撃を食らわなかった試しがないのよね。だから別の癒しを求めるのだけど……やっぱり『日本の食事』にたどり着くのよね。


「それで今日はラーメンの気分何ですか?」

「これでも行きつけのラーメン屋がある程度にはラーメン好きだけど?」

「兄様に私の方から今度おねだりしておきますね」

「いいの?」

「スズお姉様は兄様が関わると人が変わりますからね。比喩表現抜きで」

「悪かったわね」

「いえいえ、兄様の好感度を維持し続けるのは一部の方を除いてかなり難しいですからね。仕方ありませんよ」

「よし。これで今日の仕事終わり。先あがるわ」

「お疲れ様でした」


 これで日本のラーメンを食べに行ける。

 身だしなみ(変装)として髪色と瞳の色を黒にして服装は休日のOL風にコーディネートしてっと。これならあまり目立たないでしょ。あっそうだ、前回行った時大将の持病が悪化しかけているからサプリメント風の特効薬でも調合して持って行こうかな。また馴染みの店を一から作るのはめんどくさいし。


「へいらっしゃい。何名様って、嬢ちゃんか。久しぶりだな」

「大将、お久しぶりです。良かったらこれどうぞ」

「嬢ちゃんの持ってくるサプリメントはよく効くから助かるけど…今回はどんな効能なんだ?」

「大将の持病用ですかね」

「そりゃ助かるわ」

「注文はいつものをお願いします」

「あいよ」


 いつものとはチャーハン定食のとんこつラーメン唐揚げセットである。


「お嬢さんこんな時間に一人で出歩いてはいけませんよ。とても危ないですから。僕がお家まで送ってあげますから帰りましょう?」

「大将、この人なに?」

「そいつはうちの新入りだ」

「ふーん」


 補足しておくと現在時刻は22時である。まあ、小中学生にしか見えない見た目してる自覚有るけどさ、これ新手のナンパかな?此処が日本じゃなかったら氷漬けにして海に沈めているわね。とにかく日本では無視しておくのが一番ね。


「大将、この子の説得手伝ってくださいよ」

「その嬢ちゃんは成人済みのうちの常連客だが?」

「合法ロリですか。僕と結婚してください」

「この手が見えない訳?」

「な!先客がいたとは」


 私はいつも、あの人から一つしか貰ったことのない指輪を左手の薬指に嵌めている。魔力効率が私クラスでも二倍になるチート級のアーティファクトだからだ。別に婚約指輪も結婚指輪もそれに類するモノが貰えなかったからでは決してない。


「お嬢さん、お相手を捨てて僕と結婚してください」

「私が押し掛け妻よろしく、無理やり結婚して貰ったのにこっちから離婚とか絶対あり得ないから。むしろあの人と離婚するぐらいなら自殺するわ」

「うっ。気の強い子だ」

「大将、この人、人格に難ありで解雇したら?」

「このご時世、代わりが見つからなきゃ解雇したくてもできないんだわ」

「うちの会社から派遣させるわよ?」

「お嬢さんの会社?」

「セブンスコーポレーション。一応私あそこの上位役員だからね」


「へいお待ち。いつものチャーハン定食とんこつラーメン唐揚げセットだ」

「んー。いつもどおりとても美味しそう」

「僕を無視しないでくださいよフロイライン」

「キモい。帰れ」

「ぐはぁ」


 んー。ほんといつもどおりとても美味しい。むしろくる度美味しくなってる。


「今度、うちのせがれが嬢ちゃんの会社を受けることになってるだが何かアドバイスはあるか」

「私が気に入れば一発で入社できるわよ」

「嬢ちゃん人事部なのか?」

「違うわよ。上位役員は自らが担当する部署の人事をある程度自由に決められるから」

「ほーう」

「ご馳走さまでした。大将、これお勘定」

「ご来店ありがとうございました。またのお越しをお待ちしております」

この人のせいで設定がかなり複雑になってるんだよこのヤロー(三年前の自分を殴りたいです)

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